盛岡タイムス Web News 2015年  6月  1日 (月)

       

■  〈幸遊記〉229 照井顕 森川ともゆきのタンゴ・アンサンブル


 千厩町(現一関市)の農村勤労福祉センターで1984年9月2日に開かれたシャンソンとタンゴのミュージック・あらかると「泉れい子&森川倶志(ともゆき)とアンサンブル・フォンティーヌ・ジョイント・コンサート」を、実行委員長の佐藤広徳さんに誘われて聴き、感激したことから、僕は、盛岡にあるタンゴの店「アンサンブル」に行くようになった。

  アンサンブルは当時、3周年記念に藤沢嵐子。5周年記念に菅原洋一をゲストに迎え森川倶志(バンドネオン)花田慶子(バイオリン)熊田洋(ピアノ)による岩手県民会館大ホールコンサートを開催していた。あれからすでに30年、時折店に行く程度の僕に丁寧な手紙を添え、店の通信を送ってくれるタンゴ・アンサンブルに尊敬の念を持ち続け、今日に至っている。

  森川倶志さんは1936(昭和11)年1月10日東京生まれ、中央大学在学中よりバンドネオン奏者としてデビュー。「坂本政一とボルテニア」の一員として1966年にタンゴの地アルゼンチンをはじめ、南米やヨーロッパを巡演。帰国後、タンゴの女王・藤沢嵐子が所属する「早川真平とオルケスタティピカ東京」に入団。のち自己トリオ結成。77年盛岡にできた店「ローレライ」に3カ月契約で来演。それが好評で1年半も出演した。東京へ戻った半年後には、また、ファンに呼び戻され再び盛岡へ。そしてバイオリンの花田慶子さんと大通に自分たちの店、「アンサンブル」を79年に開店。

  89年1月TVIで特集されてからは、バンド名を「森川ともゆきとタンゴ・アンサンブル」に改めた。同年夏、僕らが主催した「第2回日本ジャズ祭in陸前高田」の時、森川氏からお祝いの金一封が届いてビックリ!胸が熱くなった記憶が今も残る。

  10周年記念レコードを熊田洋。20周年記念CDを高田菜穂、平山(旧姓・渡辺)順子。30周年記念に松永裕平、工藤溶子、と店で育った各ピアニストたちと一緒にアルバムを録音、北の街盛岡にタンゴのとりであり!を全国に知らしめてきた。昨今タンゴがまた昔日のように若い演奏者たちによって復活してきたが、2013年88歳で亡くなった藤沢嵐子さんと最後まで親しく心の交流をし続けた森川さんと花田さんは、今なお、日本唯一とも言えるタンゴの店を経営しながら日々演奏し続けている。(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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