盛岡タイムス Web News 2015年  6月  6日 (土)

       

■ 〈体感思観〉編集局 佐々木貴大 「熱量」のリアリズム


 
 TKbjリーグ2014―15シーズンプレーオフファイナルの取材、無事終了しました。岩手ビッグブルズの選手、スタッフの皆さん、お疲れさまでした。有明コロシアムまで連れていっていただき、ありがとうございます。

  その有明でのこと。岩手の3位決定戦終了後、ファイナルの秋田ノーザンハピネッツ対浜松・東三河フェニックス戦を見ずにホテルに帰った。試合終了後、負けたチームの前で万歳三唱するような(昨年も書いたが、完全な侮辱行為だ)秋田ブースターを見たくない、と思ったためだ。

  ホテルに帰り、テレビをつけるとファイナルが中継されていた。他に面白い番組もなく、BGM代わりに、と眺めていたが、さすが日本一決定戦。バスケの魅力が全て詰まったいい試合だった。

  観戦を終え、何かが足りない。空調の利いたホテルの部屋で、コーラを片手に快適に見たはずなのに。全国の祭りや花火をテレビ中継で見た時のような物足りなさを感じた。

  頭をひねり、結局、スポーツは現地観戦が一番だと再確認した。確かに、テレビ観戦では周囲に気を使うことなく、快適な空間で観戦できる。テレビカメラの映像は会場の隅々まで映し出し、実況と解説は分からない点をすぐに伝える。会場の熱気で脱水症状を起こすことも、ハーフタイムのトイレ行列に巻き込まれることもない。

  それでも、会場でしか味わえない、「熱量」のような、言葉で表せない魅力は確かにある。

  自分はプレーオフの岩手戦6試合全てを取材し、うち3試合は終了後に感極まり泣いた。さらにサッカーJ3のグルージャ盛岡がシーズン2勝目を挙げたときにも涙腺が緩んだ。どうやらその熱量は、競技に関係なく存在し、人の感情を揺さぶるほどのものらしい。

  ぜひ、スポーツは会場で。「テレビでやるなら会場に行かなくても」ではなく、「テレビでやるすごいことが見られるなら、現地で見よう」と考える人が一人でも増えてくれたら。

 


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