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10周年を迎える権三ほーるを開設した畠山貞子さん
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紫波町日詰郡山駅の権三ほーるが今年、開設10周年を迎えた。畠山貞子さんが「まちの小さな文化館」として2005年6月に、実家敷地内の空き家を活用して設置。日詰の歴史や文化、地域づくりの拠点として、多くの住民に愛されてきた。
空き家は畠山さん宅で昔、鍛冶(かじ)屋を営んでいた頃の工房。「このように使い始める前は貸店舗としていた。母が亡くなった後、どのように使おうかと考えていた」と当時を振り返る。
そんな時、知人から掛けられた「写真展をやらせてもらえないか」という声。畠山さん自身、以前から文化芸術に関心があり、特に日詰出身の歌人である巽聖歌については本を出版するほど。02年には同町の歴史研究などを行うどっこ舎が設立していたこともあり、文化館としての活用を決めた。
権三ほーるでは05年10月に開始し、114回を数えた「うたごえ倶楽部トンテンカン」をはじめ、歌や朗読などのさまざまなイベントを開催している。毎年2月の巽聖歌顕彰事業の童謡まつりに向けた、日詰小児童の朗読の練習会も恒例行事だ。同館には小さな子どもからお年寄りまで、世代を問わず多くの住民の歌声や笑い声が響く。
畠山さんは「生活面で大変な時期があったが、必ず誰かが助けてくれた。たくさんの人との出会いの場になったことが、この場所を開設して一番大きかった出来事」と話し、自身の心の支えになった人との交流に思いをはせる。
14日から28日まで、10周年を記念した「思い出展」を開催している。佐藤弘子さん(盛岡市)の布絵本の展示や豆絵本などの販売を行う。21日はどっこ舎の朗読会、28日はうたごえ倶楽部トンテンカンがメーンイベントとして行われる。
畠山さんは「2週間の展示会でどんな出会いがあるのかが楽しみ。今後も行事などを通して、いろいろな人が集まり、お茶を飲みながら楽しめるような空間を作っていければ」と話していた。
(山下浩平)
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