盛岡タイムス Web News 2015年  6月 18日 (木)

       

■  ダウンバーストの可能性 盛岡気象台が現地調査 紫波町で16日発生の突風


     
  照井さんから聞き取りを行う盛岡気象台の職員(右)  
  照井さんから聞き取りを行う盛岡気象台の職員(右)
 

 局地的豪雨、突風が襲った紫波町に17日、盛岡地方気象台の調査班が現地入りし、風害の要因調査を実施した。分析の結果、突風現象はダウンバースト(注)の可能性が高いと断定した。被害の発生時刻に被害地付近を活発な積乱雲が通過中であったことなどが判断理由。同町稲藤では倉庫の屋根の剥離、小屋が飛ばされる被害のほか、突風、ひょうによる農作物被害も発生した。

  同班6人は午前9時半ころ、同町役場に到着し、町担当者から被害箇所を確認。二手に分かれて同町稲藤地内で被災住民への聞き取り調査や現場検証をした。

  同日、同気象台は現地調査の速報を出した。ダウンバーストの可能性が高いと判断した根拠は▽被害の発生時刻に被害地付近を活発な積乱雲が通過中だった▽被害や痕跡はおおむね面的に分布していた▽突風は激しい雨やひょうを伴っていたという証言が複数あった▽渦の目撃や耳に異常を感じたなどの竜巻を示唆する情報は得られなかった─の4項目。

  突風の強さは藤田スケール(竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した被害の状況から風速を大まかに推定するための尺度)でF0(約15秒間の平均で秒速17〜32b)と推定した。

  倉庫の屋根が剥離する被害を受けた同地内の照井孝男さん(67)宅では17日、家族や親戚ら数人で屋根の片付けをしていた。照井さんは「午後4時半ころにすごい音がした。屋根がはがれる音、樹木が折れる音だったのだと思う。竜巻のようだった感じがする。ひょうも強い風の中で、横なぐりに降ってきた。生まれて初めての体験だったが、蔵だけで済んでよかった」と胸をなで下ろす。

     
  突風で飛ばされた小屋(17日午前11時ころ、紫波町稲藤地内)  
  突風で飛ばされた小屋(17日午前11時ころ、紫波町稲藤地内)
 


  小屋が飛ばされた同地内の田口光弘さん(62)は「外出中だったが、帰ってみると物置小屋が田んぼの中に吹き飛ばされていた。窓に貼っていたビニールが切り裂かれていて、多分ひょうだったのだと思う」と話していた。

  同町農林課によると、突風とひょうの影響で、農作物の苗木が倒れる被害が稲藤地内などで50件、約6fで発生。農業関係ではこのほか、大雨により農地でのり面が崩れる被害が4件あった。

  1時間の降水量は95・5_(観測点・同町稲藤地内)だが、2013年8月ほどの被害規模とはならなかった。紫波町上平沢川原田の山王海土地改良区によると、同8月の水害で土砂流入により打撃を受けた南幹線用水路、稲荷頭首工などの施設では被害がなかった。

  同改良区の所在地の降水量は1時間54_、山王海ダムは6_。上平沢、稲藤は隣接した地域だが降水量に大きな差があり、局地的豪雨を表している。

  (注)積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れ。


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