盛岡タイムス Web News 2015年  6月 20日 (土)

       

■ 持続可能な生き方の学校 サポーターズが市民講座 盛岡にあすくら相談室も


     
  Enowa(笑の輪)ネットワークの林悦子さんを講師に招いて開かれた第1回「あすくら学校」  
  Enowa(笑の輪)ネットワークの林悦子さんを講師に招いて開かれた第1回「あすくら学校」
 

 NPO法人くらしのサポーターズ(松本良啓理事長)が運営する「あすからのくらし相談室・盛岡」が4月に盛岡市茶畑2丁目に開所した。16日から同相談室が主催する市民講座「幸せの学び舎(や)あすくら(明日からの暮らし)学校」もスタート。お金や制度の枠にとらわれない持続可能な暮らしや生き方をともに考える。

  同相談室は、被災者や生活困窮者らを対象に、パーソナルサポートと呼ばれる寄り添い型の生活再建支援活動を展開。相談者と一緒に公的機関に出向いて、生活保護など社会保障の手続きを進めたり、就労先を共に探したりする。個々の課題に丁寧に寄り添い、自立まで伴走するのが特徴だ。

  同法人副理事長の吉田直美さん(48)は震災後、宮古市や釜石市で、くらしの相談室の発足に関わり、パーソナルサポートを実践。4月から生活困窮者自立支援制度が施行され、行政の役割が制度化されたのを受け、同制度でも救われない弱者支援に力を入れたいと盛岡に新たな相談室を開いた。

  現金依存型の現代社会は、自力で、ある程度の収入が得られなければ、衣食住は安定確保できず、生活保護など公的扶助に頼らざるを得ない。経済優先の社会では孤立し、排除される人が後を絶たず、社会復帰するきっかけをつかんだ相談者が再び、壁に当たり、舞い戻ってくるケースも多い。

  「あすくら学校」は、誰もが幸せに生きられる選択肢の一つとして、現金収入はわずかでも、知恵と工夫で相互に支え合って暮らすコミュニティーの先進事例を学び、社会的弱者が生きやすい地域づくりにつなげていこうと企画した。

  初回は、Enowa(笑の輪)ネットワークの林悦子さん(東京都)が「各地に広がる『共生きコミュニティ』〜未来にやさしい持続可能なくらし方」と題して講演。会場のねむり庵(同市茶畑2の11の7)には市民16人が集まり、「トランジション・タウン」「エコビレッジ」など世界に広がる事例を学んだ。

  林さんは、再生可能エネルギーの活用や地域通貨、コミュニティー独自の年金システムなど、それぞれの共同体の特徴を説明。「豊かなコミュニティー形成のためには、多様性を受け入れる包括的な視点を持ち、人との関わりや生活を自分自身の成長につなげていくことが大事。制約のない自由意思が尊重されることが、本当の意味での自由で安心できる社会につながるのでは」と語った。

  吉田さんは「信頼感や連帯感をもとに、それぞれが力を発揮できれば、少ない現金でも幸せに暮らせるコミュニティーが生み出せるのではないか。震災後の生き方の選択肢を広げていきたい」と意欲を燃やしていた。

  講座は9月まで月1回のペースで4回開講。いずれも時間は午後2時から同4時まで。会場はねむり庵。参加無料。

  7月以降の講座・講師は次の通り。▽7月15日「自分たちの手でつくる未来のくらし」トランジションタウン浜松・大村淳さん▽8月20日「土に触れる暮らしで、自分らしく生きる」SOSAプロジェクト・松原万里子さん▽9月25日「お金のいらない国 落語会」、「お金のいらない国」著者・長島龍人さん

  各回とも定員は30人。問い合わせ、参加申し込みは、あすからのくらし相談室・盛岡(電話0196017077)まで。
 


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