盛岡タイムス Web News 2015年  6月 20日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 身近に発見イングレス 編集局 泉山圭


 日常生活の中で、新しい発見をすることはそんなに多くはないはず。しかし、普段何げなく歩いている通勤路から一本裏通りに入った場所にも、実は発見の源は存在している。昨年8月、あるスマートフォン向けのアプリをダウンロードした。Googleが提供する位置情報を利用した無料アプリ「イングレス」。昨年、県庁職員有志で組織する県庁イングレス研究会が観光誘客の手法として行政として初めて取り入れて話題となった。

  イングレスは、プレーヤーが二つの陣営に分かれて現実世界の名所旧跡などが登録されたポータルと呼ばれる拠点を占拠し、自陣のエリアを拡大していく。全世界で1千万人以上がダウンロードしており、ポータルを占拠するためには実際に現地まで赴く必要があるため、観光誘客への活用が期待できる。

  イングレスは利用者が申請することで、ポータルが増える仕組みを取るため、自分の住むまちの新たな発見の機会にもなる。私は大学時代を除く30年以上を盛岡で過ごしているが、イングレスで初めて知った場所が多くある。例えば、会社のすぐ近くの光臺寺には大ムカデを射止めたときに用いたと伝わる矢の根を持って南部利直公に嫁いだと言われる源秀院殿(ムカデ姫)の墓所があることを知った。

  先日、盛岡市の2015年度市民協働推進事業選考委員会が開かれ、提案された協働事業の一つにもまちを知るためにイングレスを活用したものがあった。NPO法人Asia Environmental Allianceが提案する「モーリオ市民大学〜新たな盛岡再発見を伝える『もりおか伝え人』養成事業」。植物学やお天気学と並んで、イングレスを「盛岡市民が自らの視点で盛岡の良さを再発見し、それを市民自身の手で発信していく」ことに用いるのだという。

  観光パンフレットには載っていない住民だからこそ知る名所旧跡を自分の足で楽しみながら見に行く機会は、ゲームの枠を超えた面白さがある。21日には八幡ぽんぽこ市とコラボしたイングレスイベントも開催予定で、初心者が始めるきっかけにもなるのでは。
 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします