盛岡タイムス Web News 2015年  6月 30日 (火)

       

■  明治日本の産業革命遺産 登録に高まる期待 ユネスコ世界遺産 ドイツで委員会始まる 吉報待つ岩手・釜石


     
  世界遺産への登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」の一部、橋野高炉跡(県提供)  
  世界遺産への登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」の一部、橋野高炉跡(県提供)
 

 第39回ユネスコ世界遺産委員会は28日から7月8日までの日程で、ドイツのボンで始まった。日本政府が世界文化遺産に推薦している釜石市の橋野鉄鉱山・高炉跡などを含む「明治日本の産業革命遺産」についても、世界遺産に登録の可否が決定される。

  「明治日本の産業革命遺産」は2014年9月に国際記念物遺跡会議(イコモス)が現地調査するなど世界遺産にふさわしいかを検討し、15年5月に「登録」をユネスコに勧告している。イコモスの勧告は委員会に大きな影響力を持っており、登録が確実な情勢となっている。

  会議中、新規推薦案件は日本時間で7月3日午後5時から6日午前1時半ころまでに審議される。審議はリストの記載順に行われる。「明治日本の産業革命遺産」は37件中13件目に記載されており、県によると、4日にも審議の見通しという。

  審議ではユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスによる勧告内容の説明や、推薦国からの発言を経て、委員国21カ国が協議し、採否を図る。

  「明治日本の産業革命遺産」は釜石市の橋野高炉跡のほか、山口県萩市の萩反射炉や松下村塾、鹿児島県鹿児島市の寺山炭窯跡や旧集成館、静岡県伊豆の国市の韮山反射炉、長崎県長崎市の端島炭坑など全8エリア23構成資産から成る。

  このうち橋野高炉跡は1858(安政5)年、盛岡藩士である大島高任の指導により、鉄鉱石を使った西洋式の高炉技術を導入し鉄の連続生産に成功した。橋野高炉跡および関連遺跡は西洋技術の導入と強いつながりを持ち、後の八幡製鐵所に至る近代製鉄の流れの発端となったとされる。

  登録されると、11年6月に登録された「平泉─仏国土(浄土)を表す建築・庭園および考古学的遺産群」に次ぎ、県内2件目の世界文化遺産となる。県教委生涯学習文化課の松下洋介総括課長は「県内2件目の世界文化遺産であり、登録されることを期待している。近代製鉄の発祥の地であることをPRしながら、保存、活用を進めていきたい」と話している。

  登録された場合、県では記念シンポジウムの開催などを予定しているという。


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