盛岡タイムス Web News 2015年  7月 4日 (土)

       

■ 〈体感思観〉編集局 山下浩平  忘れる間もなき天災


 6月16日午後2時すぎ、紫波町東部の赤沢地区にいたが雨が降りそうな気配はなく、取材を終えて会社への帰路についた。その約1時間後、町中央部から西部の稲藤地内を中心に局地的豪雨が襲い、雨量は1時間当たり95・5_を観測。2013年8月以来の局地的豪雨。「数十年に1度の大雨」といわれる規模の雨は、わずか1年と10カ月で再び同町を襲った。

  豪雨やひょうが降っている時間帯は、盛岡市内にいた。後日、町民から「雨がひどくて窓の外が見えなかった」などと声が聞こえてきた。当日、現地に到着したときには雨はやんでいたが、高架橋下の道路は冠水し、車が数台水没。2年前を思い出し、恐怖が襲ってきた。

  同町は2002年、2007年には台風による大被害を受けた。その後、13年、15年と10年も経過しないうちに大規模な水害が襲っている。また、今回はダウンバーストが原因とされる突風も発生。積乱雲からの下降気流が原因の突風は小屋などを倒壊させたほか、ひょうによる苗木倒れなどの農作物被害もあり、多くの農家が涙を飲んだ。

  「蔵だけで済んで良かった」。この被害にあった町民の言葉は、家族が無事で安心したことを表現したのではないだろうか。13年の豪雨時は、浸水地域に町民有志がゴムボートを出し、人命を救出した事例もある。大規模な災害が発生しても人的被害が出なかったのは、何よりも幸いなことだった。

  気象庁では特別警報の発令について、大雨では「台風や集中豪雨により『数十年に1度』の降雨量となる大雨が予想される…」などと定義されている。また、今回の豪雨が発生する前には、記者の担当している自治体で「めったに発生しない災害に対して予算を割くことは難しい」という趣旨の発言を何度も聞いている。

  1年10カ月という期間は長いのか、短いのか。今回、たまたま短い期間で発生しただけなのか。これだけの雨を経験しても、今までと同様の対策を続けるだけで十分なのか。度重なる被害を受けてきた住民は、過去のつらい経験を水に流すことはできないだろう。
 
 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします