盛岡タイムス Web News 2015年  7月 15日 (水)

       

■  いじめ防止基本方針を適用 矢巾町中学生自殺問題 緊急に総合教育会議


     
   矢巾町の中学2年の男子生徒の自殺を受けて開かれた県総合教育会議。会議の冒頭、生徒の冥福を願って黙とうした  
   矢巾町の中学2年の男子生徒の自殺を受けて開かれた県総合教育会議。会議の冒頭、生徒の冥福を願って黙とうした
 

 矢巾町の中学2年の男子生徒が自殺したとみられる問題で、達増知事は14日、臨時の県総合教育会議を招集し、教育委員と今後の取り組みについて意見交換した。事実関係の早期解明や学校の正常化に、県を挙げて取り組むことを確認した。委員からは、全県でいじめ防止に力を入れて取り組んでいる時期に、子どもの命が失われたことについて、厳しい指摘も相次いだ。

  会議には達増知事のほか、県の八重樫勝教育委員長、高橋嘉行教育長ら教育委員6人と県教委事務局、総務部法務学事課の担当課長らが出席。男子生徒の自殺と、これまでの学校や町教委の対応、県教委の支援などについて情報共有した。

  教育委員からは男子生徒がいじめや自殺をほのめかしていた「生活記録ノート」について「学校全体で共有されていなかったのか」との質問や、「SOSの声を上げられない子どももいる。アンテナを高くてほしい」といった意見が出た。

  昨年、滝沢市であった中2男子生徒の自殺について、第三者委員会の報告書が「学校現場で十分に生かされていない」との指摘もあり、高橋教育長は「早期に各学校で見られるような情報にしていきたい」と話した。

  八重樫教育委員長は「これほど、いじめ防止が話題になっているとき、一人の命が救えなかったことは誠に残念。全県下の教員が自分の問題として受け止め、取り組んでもらいたい」と強調。達増知事も「一人ひとりの尊厳を守るという原点に立ち返って対応することが大切な命を守ることにもつながる」と述べ、事実の解明と教育現場の立て直しを求めた。

  必要があれば、知事部局から県教委に対し、人的な応援をすることや、知事と教育委員長連名でメッセージを発し、一人ひとりの尊厳や命の大切さを改めて訴えていくことなども確認した。

  いじめ防止対策推進法が2013年に施行。県教委は、これまでのマニュアルを改訂し「いわて『いじめ問題』防止・対応マニュアル」を策定するなど取り組みを強化してきた。県内の全公立学校は14年度末までに、いじめの早期発見のための定期的なアンケートの実施や教職員間での情報共有、研修会の実施などを盛り込んだ「いじめ防止基本方針」を策定した。

  ただ、いじめが関連したとみられる中学生の自殺が続いた点からも、実効性が不十分だった可能性があり、県教委は早期に実態調査に乗り出す方針。高橋教育長は「基本方針が狙い通り動いているか、全県的な把握はできていなかった。できるだけ具体的な全体像をつかみ、今後に生かしたい」としている。


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