盛岡タイムス Web News 2015年  7月 18日 (土)

       

■ 〈体感思観〉馬場恵 玉山の心磨いて末永く


  盛岡市と旧玉山村の合併から10年。地域自治区の「玉山区」も来年3月までで設置期限が切れる。住所表示からも一部を除き「玉山」の名称は消えることになり、寂しさを覚える人も少なくないだろう。

  歴史ある「玉山」の良さを発信し、次世代に引き継ぐ場を作りたいと、久しく途絶えている産業祭りを復活させる計画が進んでいる。中心になって活動しているのは地元の若手農業者ら。その構想会議を先月、取材した。

  集まったのは15人。生まれも育ちも玉山という人もいれば、たまたま仕事で玉山に関わったという人も。玉山との縁の深さは、ばらばらだが、この話し合いが面白い。

  祭りとなれば、会場の20ブース程度は、地元企業や団体で埋めたい。皆で、協力してくれそうな事業者や特技を持つ人の名を挙げていく。ブランド靴メーカーの玉山工場、ほうき作りの名人、シルバーアクセリーの工房…。一人ひとりのつぶやきを黒板に書き出していくと、見過ごしていた地域資源に気付かされる。

  「玉山伝統の野良着を復活させたい」「玉山のオリジナルスイーツを作ろう」「啄木カルタの対抗戦は」−。実現できるかは別として、祭りを盛り上げるアイデアも次々と出てくる。

  狙い通りのイベントになるかは、まだ分からない。だが、何か面白い事をやってやろうと、思いのある人が集まり、頭をひねることに大きな価値があると感じる。地域づくりに関心を寄せる人と人とのつながりこそ、玉山の良さを未来につなぐ原動力だ。

  10年前、盛岡と旧玉山村の合併に合わせた特集号を作った。玉山の「人」や「物」を手分けして取材したのを思い出す。磨きをかければ光る地域資源は、まだまだあるはず。

  高齢化が進む中、核となって動ける若手人材がいること自体、地域の希望。柔軟な発想と情熱で、新たな玉山の魅力を引き出してほしい。


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