盛岡タイムス Web News 2015年  7月 31日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉261 草野悟 上品かつ豪快な中華そば


     
   
     

 ご覧ください。天使の純真な心のようにどこまでも澄んだスープに、オーソドックスなシナチクとネギとホウレンソウが浮かんでいます。問題はその上にデデーンと個性を主張しているトンカツです。揚げたてを一気にスープに落としますが、油は浮かんできません。上質な油で揚げたからこその技なのです。

  カツ中華という名前です。どこで食べられるかと言いますと、なんと日本そばの名店、盛岡市中ノ橋通の「直利庵」なのです。直利庵の中華そばは、地元のツウたちが裏メニュー的に食べていた隠れ主役です。友人が「直利庵?当然中華そばだろう」とツウぶってほざきます。徹底した和のだしがベースで、しょうゆ味なのですが、龍泉洞地底湖の底が見えるくらい奥の深い絶賛スープなのです。もちろん麺は細めでゆで過ぎず、歯応えもしっかり。

  ま、ここまでは中華そばの説明ですが、上部に鎮座しておりますトンカツのすごさこそが、きょうの主題なのです。揚げたてを入れていますので、当然カツは熱々です。真夏にフーフーと汗をかきながら食べる醍醐(だいご)味は、このトンカツなくして語ることはできません。スープに入っているのに、カツの衣はまだパリッとしています。サクサク感がずっと続きます。ベターっとしていないカツ中華、めまいのする完成度なのであります。シナチクを1本食べ、スープを口に運び、そのあと麺をすすり、次に右端のカツをカプリ。時々ホウレンソウをつまみます。この繰り返しこそ、カツ中華の正式な食べ方作法なのであります。(実際はどこから食べてもいいよ、と親方)

  上品で豪快、繊細で滋養あふれるカツ中華。もうすっかりとりこです。夏は冷たい麺という人もいらっしゃいますが、暑い夏にこそエネルギー補給と爽快感を求めて食べたいものです。多少の汗は当然夏ですから当たり前。中高年はじめ肉食系女子にもお薦め。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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