盛岡タイムス Web News 2015年  8月 1日 (土)

       

■ 被災地の教訓を全国に 国土強靭化県地域計画 政府モデル調査に選定 大規模災害へ備え



 県は、政府の国土強靱化地域計画策定モデル調査の2015年度実施団体に選定された。内閣官房国土強靱化推進室によると、先進的な内容は県外の他自治体の計画策定にも取り入れられ、専門家の派遣など全面的な支援が受けられる。県の同計画検討会議座長の南正昭岩手大地域防災研究センター長は「東日本大震災津波の教訓の全国発信にもつながる」と説く。年度内の計画策定に向け、議論が交わされている。

  同モデルは14年度に始まり、2年目。本県や千葉、愛媛、札幌市など3県11市町が選定された。計画策定に関する成果や課題が他自治体へ情報提供、共有され、強靱化の取り組み推進が狙い。

  モデル選定は7月31日の検討会議第2回会合で報告された。同日は計画に盛り込まれる、ぜい弱性評価結果案、その結果に基づく対応方策素案について議論された。

  計画では大規模災害で強靱化するべき施策分野をまとめ、ぜい弱性の分析・評価を踏まえ、対応方策の重点化、優先順位付けをする。最悪の事態の設定で▽対象とする自然災害▽起きてはならない最悪の事態▽強靱化すべき施策分野が規定される。計画期間は16〜20年度まで5カ年。

  国土強靱化推進室の麻山健太郎企画官は31日の会合で、強靱化の地域計画について説明。防災計画と異なり、危機を防ぐため、あるいは起きてしまった場合にどう対応するか。対応方策に現状でどこまで対応が図られているかの指標として、KPI(重要業績指標)が盛り込まれる。

  対応方策素案については、いかなる大規模自然災害が発生しても@人命保護を最大限図るA迅速な救助・救急、医療活動B必要不可欠な行政機能の維持C地域経済システムを機能不全に陥らせないD必要最低限のライフラインなどを確保し、早期復旧を図るE制御不能な二次災害を発生させないF迅速な地域社会・経済の再建・回復が盛り込まれた。

  @のうち異常気象など広域かつ長期的な市街地などの浸水に対しては、洪水時の円滑で迅速な避難の確保、水害による被害軽減へ、水位周知河川の指定を推進させる。KPIとしては水位周知河川を14年度21河川から20年度に40河川と目標値が設定された。

  Dのうち県外との基幹交通、地域交通ネットワークの機能停止に対しては、国の防災・安全交付金などを活用して落石や崩壊の恐れのある斜面などの対策を推進。農林道トンネルなどの点検・診断、老朽化施設の保全対策が適切に行われるよう管理者の市町村などの取り組みを支援する。

  KPIは、道路のり面など防災施設の対策率を14年度58・8%から20年度100%にする。農道橋・農道トンネル対象の点検・診断実施率を13年度1%から100%に引き上げる。林道橋・林道トンネルも同様に14年度69・1%から20年度90%を目指す。

  大平尚政策地域部長は「委員から被災地ならではの話が出された。全国にこういう視点があるんだという内容に作っていかないといけない」と述べた。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします