盛岡タイムス Web News 2015年  8月 8日 (土)

       

■ 知事選 平野氏(参院・元復興相)が出馬断念 安保論議の争点化を理由に 補選も回避 苦い弁明、背景に政局


 

     
  会見で陳謝する平野達男氏  
  会見で陳謝する平野達男氏
 

 平野達男参院議員(61)は7日盛岡市内で会見し、任期満了に伴う知事選(20日告示、9月6日投開票)について「出馬を断念することを決意した」と発表した。安全保障法案や与野党対決など中央の政局がクローズアップされ、「私の本意と大きくかけ離れた」と説明するが、明白な理由には触れなかった。首相官邸から断念が指示されたと一部で報道されたことについては明言を避けた。擁立した支持団体からは驚きとともに「残念」との声が上がった。三選を目指す現職の達増拓也氏(51)は無競争の流れが強まる中、「選挙を冒とくするもの」と批判した。

  平野氏は知事選出馬に際して自動失職の方向で検討していたが、出馬断念を受けて「職責を全うしたい」と無所属で議員活動を継続する考え。さらに4年後の知事選については「現在は何も考えられない」と述べるにとどめた。6月ごろから逡巡(しゅんじゅん)し、6日午後に最終的に判断したという。

  会見では用意した声明文を朗読。「県の持てる力を存分に発揮するためには県政を変える必要があると痛感したから」と出馬に至った経緯を説明。しかし「徐々に、国の安全保障の在り方が最重要課題へと浮上し、県政の在り方についてはなかなか論点になりづらい状況が生まれてきた」。

  3月に県議会無所属会派いわて県民クラブ(小田島峰雄代表)の要請を受け、4月14日に出馬表明。4、5月には「よく出馬してくれた」と有権者から好反応があった。その後安保法案の議論が始まった6、7月以降は風向きが変わったとの印象を語った。

  「県民目線で県政の改革を訴えてきたが、日に日に争点から遠ざかった。県知事を選ぶ選挙にもかかわらず、国の在り方そのものが争点になっている。また、政党間の争いになってきた感がある」と説いた。

  断念によって「活動を支援していただいた皆さん、推薦いただいた団体・企業の皆さんに苦労、心配をかけたことに対し深く感謝し、心からおわび申し上げる」と陳謝した。

  平野氏は、自民党県連(鈴木俊一会長)の支援、公明党県本部(小野寺好代表)の県本部支持を受けた。いずれも党本部の了承を得たものだ。

  県民クは政治団体を届け出て平野氏と県議候補の2連ポスターを作成、各選挙区に掲示。自民クラブはじめ県議会有志で「開かれた県政を創る会」(佐々木博会長)もできた。有志団体の支援する会もでき、各業界団体が平野氏推薦を決めた。

  平野氏は会見で「私の力不足で安保法制についての議論が優っていることを押し返す力がなかった」と述べた。政府与党の自民、公明から支持を受ける段階で安保法制に伴う逆風を想定できなかったか問われ、「私の甘いところ」とした。

  首相官邸から出馬を断念するよう指示、圧力があったかについては「さまざまな立場の人、例えば自民党の友人からもアドバイスをもらった。最終的に出馬しないと判断したのは私」と明言を避けた。

  県民クは同日臨時で会議を開き、今後の対応を協議した。勇退を含む現職8人と新人2人全員が出席した。小田島代表と創る会会長の佐々木氏は6日夜に仙台市で平野氏から断念について説明を受けたという。

  小田島代表は「突然のことと驚いている。多くの支援を受け、一緒に戦ってくれると信じていたのに困惑とともに残念だ。国政マターでなく県政課題で論戦ができたはずだ」とうつむいた。佐々木会長は「非常に残念に尽きる」と言葉少なだった。

  平野氏の知事選転出に伴い参院補選に出馬の意向を示していた同会派の及川敦氏(47)は「処し方は今後考えていきたい」と述べ、後援会と日程を含めて協議する考え。


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