盛岡タイムス Web News 2015年  8月 9日 (日)

       

■ 知事選からの転戦警戒 告示まで1週間 谷藤氏(現職・3期)と内舘氏(新人・会社役員) 平野氏不出馬が波紋


  8月16日の告示まで1週間となった盛岡市長選に、知事選不出馬を決めた平野達男氏の動きが複雑な波紋を広げている。国政課題は市長選の主要争点にはならないものの、知事選が無競争になった場合、陣営の力が市長選に「転戦」してくる可能性があり、関係者は影響を図りかねる。盛岡市長選には、これまでに4選を目指す現職の谷藤裕明氏(65)=無所属=、新人の会社役員、内舘茂氏(48)=無所属、民主党推薦=の2氏が出馬を表明しており、8年ぶりの選挙戦がほぼ確実となっている。

  谷藤氏は、知事選との連動を否定し、あくまでも市民党を掲げて市長選に臨むスタンスをとってきた。平野氏不出馬の影響は「分からない」としながらも「震災復興や国体など知事と一緒にやってきた分野も多いので、そこを知事としてどう捉えていただいているか。盛岡市政についても理解いただいているのでは」と話す。

  一方、陣営関係者は「知事選がなくなることで市長選に運動を振り向けられ、運動員が豊富になる」と警戒。8日の後援会都南地区連合会総決起集会でも支持する市議の一人は「知事選挙がなくなった影響がよく働くか、悪く働くか。われわれは市民党の市長を推す。民主党の階さんは従来の選挙で7万票をとっている。この組織が動いていったら、とてもじゃないが勝てない」と市長選への転戦の影響を懸念した。

  達増拓也知事は7日、「盛岡市長選に対する関わり方というのも決まってくるかもしれないし、決まらないかもしれない」と市長選への支援について明言は避けた。

  内舘氏の陣営関係者は「知事選がなくなるかは、まだ分からない」と平野氏不出馬の直接的な影響は未知数と捉える。一方、内舘氏陣営には達増氏の選対関係者も携わっているほか、知事選が無競争となれば階猛衆院議員を中心に民主党県連の支援体制を市長選へ集中できることも想定される。

  階衆院議員も、これまで街頭演説で「全国の多くの地域では、もう統一地方選は終わった。今の安倍政権のやり方はおかしい、復興のやり方がおかしいと思っても政治を自分たちの力で変えるチャンスはすでに終わってしまった。しかし、岩手は違う。多くのチャンスが皆さんにはある」と市長選も国政を含めた大きな流れと捉え、知事選を絡めた与野党の対決色を出して支持を訴えてきた。

  一方で、現時点で両氏の訴える政策に差異は少なく、明確な争点が見えにくい状況もある。両氏とも子育て支援策では、待機児童ゼロや子どもの医療費助成の拡大などを掲げるほか、産業面の盛岡ブランドの確立など、共通点が多い。

  谷藤氏は、財政健全化や子育て施策など3期12年の実績を掲げ、いわて国体や合併に伴う新市建設計画の進捗(しんちょく)、広域連携など課題の解決に向け、継続した市政を訴える。新しい総合計画を基本としたマニュフェストをお盆前には公表したい考え。「多くの市民の皆さんの声を聞きながら新しい総合計画をまとめてきた。継続的に10年計画を着実に市民の皆さんと進めたい」と新総合計画の推進が市民の負託に応えることと捉える。

  内舘氏は▽住みたいまち、暮らし続けたいまち盛岡を創る▽企業経営の経験を駆使し、変化に即応できるしなやかな行政を創る▽世界に向けて発信できる盛岡型産業スタイルを創る│などを政策に掲げる。「谷藤市政をもっと批判した方がいいとか、違いを出した方がいいとかは違うと思う。対立軸はこれから出てくるかもしれないが、自分自身がどういうまちにしたいか、みんなでどういうまちにしたいかが大事」と、あえて対立軸を鮮明にする考えはない。

  谷藤氏は、市議会3月定例会で出馬を表明。応援する盛岡市議の有志26人が7月に「盛岡市政を発展させる会」を発足させ、連動した戦いを展開する。団体では平和環境盛岡紫波地区センター(阿部哲巳議長)などが推薦する。

  6月に後援会都南地区連合会(長澤茂会長)を設立するなど、久しぶりの選挙戦へ備えて後援会の再構築も図る。後援会青年部にあたる次世代を担う会(伊藤淳之介会長)も若者を対象とした講演会を7月に初めて開催した。

  内舘氏は、3月に出馬表明し、5月下旬に後援会(及川三治会長)を設立。民主党県連が6月に推薦を決定し、階衆院議員や県議、市議と連動した戦いを展開する。7月には岩手友愛会(古門賢一会長)
、岩手県民社協会(田村誠会長)が推薦を決定し、今後は組織内候補の県議や市議選候補予定者との連動も見込まれる。

  出馬表明直後から知名度の向上を図るため平日朝に辻立ちを実施。街頭演説に加え、若い世代との懇談も重ねる。7月からは市内各地でふれあい集会も開催している。 (泉山圭)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします