盛岡タイムス Web News 2015年  8月 11日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉69 盛岡市 松尾町内 出会いの場、より多く 海野経美術館 リニューアルオープン


     
  故海野経さんのアトリエを生かした小さな美術館で来館者を迎える海野一枝さん  
  故海野経さんのアトリエを生かした小さな美術館で来館者を迎える海野一枝さん
 

 盛岡市松尾町の住宅街の一角に、週に3日開館する私設美術館がある。盛岡市の画家・故海野経さん(1919─98年)のアトリエを生かした「海野経美術館」(松尾町1の13)で、7月にリニューアルオープン。母屋に住む人形作家の海野一枝さんが、作品を入れ替えながら自作の人形も展示。毎週日、月、火曜日に来館者を迎えている。「街の中にひっそりとある小さな美術館。気軽に立ち寄ってもらえればうれしい」と話す。

  故海野さんは、風景や人物、花や果実の絵を多く描き、美術の指導者としても慕われた。98年に没後は長男の伸さんがアトリエを美術館として開放し、仕事が休みの日曜日に開館。故海野さんの妻潤子さん(14年に88歳で他界)が来訪者を迎えることもあった。

  より多くの人に親しんでもらおうと7月、伸さんの妻の一枝さんが管理を引き継ぎ、開館日を増やした。

  「絵が見たいと訪ねてくださる教え子さんもいらっしゃって、義父が今も愛されていると感じる」と一枝さん。来館に応じながら人形も制作しており、「ここにいると制作意欲が湧いてくる。義父に見守られているよう」と穏やかな表情を見せる。

  同美術館には、故人が集めた画集などの美術書もそのまま残っている。デッサン用の石こう像があるのも絵画教室を主宰していた名残りだ。

  一枝さんは宮崎県出身で、結婚を機に盛岡の人になった。「言葉も違うので最初は不安もあったが、義父が画家というのも不思議な縁。私も絵が大好きだったので、この環境に育ててもらった」と振り返る。

  子育てを中心にしながら染色、糸つむぎなどの技術を学び、本格的に人形作家として作品を発表し始めたのは40歳を超えてから。

  「人形があったから人との出会いがあり、今の自分がある」と一枝さん。雫石町にも工房を構え、「どちらかという飛び回るタイプ」と分析するが、週に3日は在廊。義父の思い出のアトリエで、新たな出会い、再会のひとときを楽しんでいる。

  開館は日、月、火の午前10時半から午後4時半。入館料500円(お茶付き)。8月はお盆明けの下旬から開館する。

  問い合わせは、海野さん(電話623─5538)へ。
    (藤澤則子)


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