盛岡タイムス Web News 2015年  8月 16日 (日)

       

■  戦後初、約80年ぶり復活 盆に門付けと行灯 ゼロから出発、継承に意欲 仙北小鷹さんさ踊り保存会


     
  復活した行灯を引き連れ、門付けを行う仙北小鷹さんさ踊り保存会  
  復活した行灯を引き連れ、門付けを行う仙北小鷹さんさ踊り保存会
 

 盛岡市の仙北地区で活動する仙北小鷹さんさ踊り保存会(鈴木孝作会長)は今年、門付けと行灯(あんどん)を復活させた。15日には約80年ぶりとなる門付けが町内で行われ、行灯と同地区で制作した舟っこ流し、そしてさんさ踊りの初のコラボレーションが実現した。新たな形で伝統を継承するという挑戦が始まった。

  白い花笠と穏やかな上体の振りが特徴とされる仙北小鷹さんさ踊りの発祥は、明治以前にさかのぼる。昭和初期には盛岡駅前や本町通、肴町、八幡町を中心に門付けをして回り、お盆期間中には小鷹地域で盆踊りとして親しまれてきた。

  ところが約80年前から門付けは行われなくなってきた。以後、戦後70年となる今年までまったく行われていない。「一度なくなってしまったことには理由がある。復活は大変だが、成功すれば小鷹さんさに厚みが出るのでは」という思いが高まって集まり、復活に至った。

  門付けとともに復活となった行灯は2基。小鷹公民館と同会幹事の渋川修さんの実家に保管されていた。かつてお盆に地区の道端に飾られていたもので、高さは約3b。作業工程の手引きはおろか、使用されていた当時の写真や作業に必要な工具類もなし。まさにゼロからのスタートだった。

  作業に要した期間は約1カ月。「最後の1週間は毎日午前0時すぎまで作業し、また朝の6時に起きて仕事に行く日々。完成したのは、さんさパレード当日の午前3時ころだった」と渋川さんは振り返る。

  同会は2日の盛岡さんさ踊りパレードや9日の南仙北2、3丁目町内会の夏祭りにも出演しており、その際にも行灯を引き連れた。今後は昔の名残の文化を伝える同会のシンボルとして位置付ける。

  渋川幹事は「今回の復活は挑戦だった。今後は継続、進化という新たな挑戦が始まる」と話す。「これまで私にとって伝統は同じことを変えずに繰り返すものだと思っていた。良いものは残すが、繰り返すだけでは駄目。小鷹さんさの挑戦の一つとして行灯と門付けがある。おそらく復活よりも継続の方が難しい。そこに挑戦したい」と意気込んだ。

 


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