盛岡タイムス Web News 2015年  8月 24日 (月)

       

■  〈幸遊記〉241 照井顕 伊藤ノリコの菩薩・ボサノバ


 話し方、話す声、歌い方、歌う声、笑う声、笑い方、その表情、そう全てが不思議としか言い表せない人がいる不思議。彼女は僕の36年来の友でギター演奏者の宮野弘紀さんの伴侶であり夫人の伊藤ノリコさん。年齢不詳の歌手である。生まれは岐阜県大垣市、国鉄職員だった父・新(あらた)さんと琴芸家の知江子(千恵子)さんとの末っ子。兄と姉の影響を受けて小学から洋楽ポップスを聴き、中学から声楽を習い武蔵野音大・声楽科を卒業。

  その後、アドリブに憧れジャズボーカルを始め、ピアノの弾き語りでホテルのラウンジやピアノバーで日々の生活費を稼いでいたある日「セルジオメンデスとブラジル66」のボーカリストで、元祖ボサノバの人・ワンダ・サーに出会い「ボサノバのエキスをもらいたい!」と彼女に言ったら「ギターを弾きなさい!」だったと。

  それまでの人生設計になかったギター。リズム感を習いにカナリア諸島のツアーに行った帰り、運命的に、宮野弘紀さんに出会ったのだったという彼女は、ブラジル音楽の歌詞、そのポルトガル語の持つ言葉の美しさ、空気感、リズムとメロディが一体となる魅力にひかれ、すでに17年。自分で対訳詞もする彼女だが、歌は“カタカナ・ボサノバ”と謙遜し笑う。

  かのワンダ・サーは「私たちの世の中に現れた、驚くべき心地よさと才能を持つノリコ」と、2005年にリリースした、ブラジル・リオ録音の「A PAZ〜平和」にメッセージ。一緒に演奏したジョアン・ドナートは「ノリコはこの上なく魅力的なカントーラだ。自分のスタイル、個性があり、自分が何をやりたいかを知っている。モダンで人の心をとらえる洗練された高い音楽性を持っている」と評価。

  2004年、リオでワンダ・サーにギターの手ほどきまで受けている彼女は「本当に強く願う夢はかなう」と世界の平和を願いつつ録音した作品「平和」。2011年天災により多大な被害を受けた方々が一日も早く心安らぎ復興されることをと、願って制作した「フォト・グラフィア」それらの曲とともに彼女・伊藤ノリコさんは2015年9月6日に行われる「第9回いわてあづまね山麓・オータムジャズ祭イン紫波ビューガーデン」に夫でギタリストの宮野弘紀さんと初出演する。(カフェジャズ開運橋のジョニー店主) 


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