盛岡タイムス Web News 2015年  8月 30日 (日)

       

■ 県議選単独で戦略変更 平野ショックに次善策 争点は県政課題か安保か


  任期満了に伴う県議選(定数48)は告示最初の週末を迎え、舌戦が展開中だ。知事選で平野達男参院議員が土壇場で出馬を断念、現職の達増拓也氏が無投票当選し、連動した戦いを想定していた県議選候補ははしごを外された。中央政界から大物弁士が続々と来県する中、知事選で浮上した安保法案を踏まえた与野党対決の図式を強調する野党陣営も多くいる。一方で与党側は「平野ショック」で戦略の変更を迫られたが、県政課題を訴えて対抗する。

  「県議選は外交や安保が争点であるはずもない」。鈴木俊一自民党県連会長は29日、滝沢選挙区の党公認現職の応援演説で約60人の支持者に説いた。

  「結果として選択の機会がなくなったことは県政の転換を求めていた皆さんにおわびする」と平野氏断念に言及。野党が安保法案などで与党を批判する中、「県民利益につながる県政にするのが県議会の役割」と主張。

  取材で平野氏断念の影響について「終わってしまったことで影響はないとみている。断念したのは県議選候補には直接関係ない。盛岡市長選で新人陣営は当選することで安保法案を廃案に追い込むと言ったが、むしろ逆効果で戦略的に間違いではないか。県議選も同じ」と強調した。

  茂木敏充党選対委員長は26、27日県入りし、党公認候補の各事務所を激励に訪れた。平野氏断念直後以来、今月2度目の来県。選挙期間中の大物弁士派遣など、可能な限りの支援を明言した。

  しかし、警備が必要な現役閣僚らが来れば、遊説日程や演説場所、支持者の動員など予定変更や新たな業務も想定される。

  平野氏断念は知事選で自民が推す平野氏が敗れる「岩手ショック」を懸念して党本部が関与したとみる県民も多い。茂木委員長の激励を歓迎した陣営のある一方、「土下座でもしてくれるなら別だが」などと皮肉を口にする関係者もいた。

  同じ与党の公明党。党本部の井上義久幹事長は来県した28日に取材に応じ「本来県政課題は震災以降の将来像をどう描くかが一番だ」と説明。安保法案の正当性を訴え「争点ではないかもしれないが、県民の関心事について考え方をきちんと示すのが筋」と述べた。

  平野氏に出馬要請した、いわて県民クラブも県議選で次善の策を練る必要に迫られた。

  知事選と連動して県民クを政治団体として届け出て、確認団体車両2台を確保していた。平野氏断念に伴い、候補8人のうち盛岡や花巻など4人が届け出党派を無所属とした。「言いたくないが、影響は大きい」と幹部も本音を隠さない。

  これに対し、達増氏を推した野党。共産党の志位和夫委員長は29日盛岡市内の県議選公認現職の応援演説で安保法案を踏まえ「安倍政権に痛打を」とアピール。取材に国政課題が争点になるか問われ「地方選でも審判の対象になる。戦争法案に地方から声を上げるのは当たり前で最大の争点になる」と説いた。

  陣営も「知事選は自民党が法案廃案の世論と運動に追い詰められ、候補者を引きずり下ろした。投票できなかった無念を県議選で晴らそう」と訴えた。

  達増氏支持の県議選候補の中にも、同じ9月6日の投票日で連動を予定した陣営は多い。対抗勢力も含め、当落を左右する投票率が知事選と同日選なら、一定水準保たれると予想される。

  今回知事選は戦後初の無競争に終わった。結果、県議選単独の戦いで4年前の前回を下回る低投票率になる懸念が出ている。達増氏は支持を受けた候補を応援し、テコ入れを図っている。

  今回の県議選では、達増氏派も対抗勢力の陣営もそれぞれ戦略の立て方を誤れば、有権者にそっぽを向かれ、議席が得られなくなる可能性が高まる。地域ごとの選挙区事情も念頭に置く必要がある。
     (大崎真士)


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