盛岡タイムス Web News 2016年  6月 6日 (月)

       

■  3年ぶり山開き 集中豪雨被害の山道復旧 式に約300人 矢巾町の宝「南昌山」


     
  山頂を目指し、歩みを進める参加者ら  
 
山頂を目指し、歩みを進める参加者ら
 

 矢巾町の南昌山(標高848b)が5日、3年ぶりの山開きを迎えた。南昌山は2013年8月9日に盛岡地域を襲った集中豪雨による土砂災害により、登山道を兼ねる町道が寸断され、復旧工事が行われていた。工事は4月に完了。同日は、古里の山の登山を待ち焦がれていた町民をはじめ、約200人が参加。麓で山開き式を行った後、約2時間半かけて登頂。同日は好天にも恵まれ、参加者らは久々に見る風景を楽しみながら、一歩ずつ歩みを進めていた。

  山開きは同町観光交流協会(吉田秀一会長)の主催。神事を終えた後、午前9時に出発。同山の一般道は5合目まで町道を歩き、その後は急勾配の登山道を登る。そのほか、ロープなどを駆使して登る上級者コース(前倉コース)もある。

  一般道の町道の復旧工事は完了しているが、道沿いを流れる沢の周辺には、土砂の蓄積や流木、山肌が削れた跡など、3年前の被害の痕跡が残る。参加者らは当時の被害状況を思いながら、再び古里の山を登れる喜びをかみしめていた。

     
  今後の無事を願い、頂上で手を合わせた  
 
今後の無事を願い、頂上で手を合わせた
 


  道中、クマに遭遇するも、参加者らは無事頂上に到達。山頂では、同町山岳協会の芦生健勝会長を中心に、また登れることを願い、手を合わせた。芦生会長は「また山に登りに来られるということは、身内がみんな健康でいられることであり、その思いが込められている」と説明。

  「多くの参加者と登ることができ、良かった。クマの歓迎も受けたようだ。災害後、すぐに山に入ったが、目を覆いたくなるような状況だったことを覚えている。いつも見ている山で、地元の人は特別な思いを持っているのでは」と話していた。

  同町又兵エ新田の岩舘宏美さん(39)は「山登りは趣味で、最近は娘を連れて、いろんな場所に行っている。地元の南昌山は今回が初めて。晴れて良かった」と登山を満喫。娘の都希さん(9)は「疲れたけど、意外と虫が少なくて良かった」と息を弾ませた。

  同山は、同町の松本驍ウんの研究で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の舞台とされ、昨年には同町出身で賢治の親友、藤原健次郎の生家から見つかった「賢治ノート」が本物と分かり、注目を集めている。

  山開き式で高橋昌造町長は「南昌山を町の観光の目玉にしたいと考えている」、吉田会長は「たくさんの人に来て、親しんでもらいたい」と話した。


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