盛岡タイムス Web News 2016年  6月 25日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 馬場惠 高校生の社会と関わる時間


 
 
 選挙権年齢が18歳に引き下げられた。初めて選挙権を得る高校生や大学生を取材する機会が多い。これまで政治や選挙を遠いものに感じていた10代も無関心ではいられないようだ。

  彼らと話していて気になったことがある。「岩手の高校生は部活動に時間を取られすぎていて、学校の外の世界に目を向ける機会が少ない」という意見だ。

  岩手の公立高校の生徒は「文武両道」の掛け声の下、部活動に参加することがほぼ義務付けられている。活動時間が比較的少ない部に籍だけ置き、自由な時間を確保している生徒もいるが、多くの生徒が土日を含め部活動にエネルギーを費やす。この状況に疑問を感じるという声を複数の高校生から聞いた。

  ある女子高校生は、部活動はほどほどにして、高校生自ら企画して地域課題を解決するプログラムに参加したり、岩手で活躍する社会人から直接、話を聞くワークショップを企画したりしている。少し視野を広げるだけで「こんなに豊かな出会いや学びがあったのか」と実感したという。「部活以外にも活躍できる場、成長できる場がある。行きたくない部活に膨大な時間をさくより、外の世界に目を向けるべき」というのが彼女の考えだ。

  記者自身は中学、高校と疑うことなく、どっぷり部活動に時間を費やした。それで得たものも大きいが、彼女たちの言うことにも一理ある。家と学校の往復で一日は終わり、ボランティアに参加しようとか、社会人と交わって将来について考えようなどという発想は頭の片隅にも上らなかった。

  選挙権年齢の引き下げで、若者への主権者教育も注目されている。しっかりした考えを持って選挙や政治に向き合うためには、さまざまな社会活動に参加し、考えを深めることが必要だ。

  部活動に懸命に取り組むこと自体は素晴らしく、否定されるものではない。だが、高校生が自由に時間の使い方を選択できる工夫や、社会と交わるためのサポートは今以上に求められるのではないか。


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