盛岡タイムス Web News 2016年  7月 2日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 飯森歩 盛岡人の鼓動はさんさ


 
 自分に盛岡の血が流れていることを実感する季節がやってきた。さんさ踊りの季節である。ダダスコダンカトカットダンカト…どこからともなく太鼓の音が聞こえると「お!今年もやってきたな」と心が弾むのは、私だけではないだろう。練習の取材では毎度「さぁさぁ踊れー、さぁさぁ踊れ」と誘われているかのように、輪に入りたい衝動にかられる。踊りというのは不思議で、音楽や拍子に合わせて一人ひとりの動きがそろうと全体に一体感が生まれる。踊りを通じて団体・組織の心が一つになり、地域が一つになる。盛岡の人々は、さんさ踊りを通して団結力を育むのではないだろうか。

  昨年、7月31日に発行されるさんさ踊り特集号を初めて担当し、促されるまま伝統さんさ踊り団体の取材に向かった。さんさ踊りに関する知識が皆無状態だった私は「門付け」や「一八」など初めて聞く言葉に戸惑いながら、必死に取材を進めていった。なにせパレードで踊られる統合さんさ踊りが、各地の伝統さんさを組み合わせた後発の踊りということも知らなかったのである。行く先々で「よくそんな知識で取材に来たな…」とあきれられながらも、無に近い知識を一つ一つ埋めていった(丁寧に教えてくださった取材先の方々には、感謝の気持ちでいっぱいです)。

  一番驚いたのは踊りの起源。さんさ踊りはもともと盆に先祖や霊をなぐさめ楽しませるため、夜を徹して右回りの輪踊りをする「盆踊り」だった。ハードだが娯楽性に富んでおり、後に誰でも参加できる住民参加型と、踊り連中らの門付け用の踊りに分かれ、後者が現在の「伝統さんさ踊り」になった。こうした歴史の奥深さを知った時の感動は忘れがたい。また、団体によって踊りが異なることも驚いた。振りや拍子が各地域の文化と結び付いて作られている。団体によって提唱が異なる発祥の不確かさも、さんさ踊りの味わいの一つだ。地域の歴史を守り継ぐよう生き生きと誇らしげに踊る団体の姿に、観客は魅了されているのだろう。

  多様な観点から見たさんさ踊りを発信しようと今年は、さんさ特集用の投稿記事を募集している。各団体の特徴や魅力などを含め、さんさ踊りの地に生きる誇りを存分にしたためていただけるとうれしい。詳細はフェイスブック専用ページで公開中。たくさんのご投稿、心よりお待ちしております。

 


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