盛岡タイムス Web News 2016年  7月 11日 (月)

       

■  参院選岩手選挙区開票 木戸口氏が初当選 野党共闘で議席死守 田中氏(自民)再挑戦実らず


     
  初当選を果たし、バンザイ三唱する木戸口英司氏(中央)と陣営幹部ら。左隣が芳江夫人  
  初当選を果たし、バンザイ三唱する木戸口英司氏(中央)と陣営幹部ら。左隣が芳江夫人
 

 第24回参議院議員通常選挙は10日、投票が行われた。全国的に自公政権はじめ改憲勢力が非改選を含め3分の2を占めるかが問われた今回。安全保障政策や憲法改正をめぐって野党が統一候補を立てて対抗。アベノミクスはじめ経済政策や社会保障なども含め、舌戦が展開された。獲得議席から結果的に安倍政権が信任される形になったが、全32の1人区で行われた野党共闘にも一定の成果があり、今参院選との同日選が見送られた次期衆院選へと中央政界の流動化は続きそうだ。岩手選挙区(改選1)でも与野党が激突。投票の結果、無所属新人の木戸口英司氏(52)が初当選を果たした。24年ぶりの党議席奪還を狙った自民党新人の田中真一氏(49)は事実上の一騎打ちも前回同様、次点に泣いた。幸福実現党新人の石川幹子氏(51)は他陣営の戦いに埋没した。

  木戸口氏は、候補者3人中、正式擁立から2カ月に満たないながらも、共闘・推薦する民進、共産、生活、社民の野党4党、連合岩手など労働団体、いわて市民ネットなどが組織的に連携。県内各層に幅広く浸透し、12年ぶりの新人同士の戦いを優位に進めた。

  勇退する生活の党現職の主浜了氏から受け継ぐ議席として「決して自民党に渡せない」と死守を訴えた。安保法廃止や立憲主義回復などをうたい、安倍政権を退陣に追い込み、次期衆院選の弾みとする戦いを印象付けた。

  小沢一郎生活の党代表と達増知事の秘書など裏方が長く、県議も1期務め、政治経験が豊富。2015年知事選では当時の野党5党首の盛岡市への結集にも尽力した。

  達増知事は、平野達男参院議員が突然不出馬した15年知事選のうっ憤を晴らすかのように、休日や平日夜間に共に運動。終盤には演説で「一番岩手のことをよく知り、今までも岩手のために働いてきた」と絶賛した。

  ただ、野党共闘をしたにもかかわらず、12年の民主党分裂前の得票数並みにとどまり、相手の増票を許した。候補者数の減少や投票率低下も一因だが、四分五裂のしこりが見え隠れする。比例得票では野党間の明暗もあり、次期衆院選に向けた県内での共闘の行方が注目される。

  自民・田中氏は、15年11月に党公認を得た。公明党からの推薦も受けて連動した。前回13年に続く再挑戦でもあり、公示前までの知名度は木戸口氏を上回るほどだった。

  主浜氏勇退に伴う新人対決を好機と捉え、陣営も自民県連も手応えを感じて戦った。候補者6人だった前回と比べて、田中氏の前回獲得した約16万票を上回るのが確実な中、木戸口氏を追い抜くまで票を積み上げられなかった。

  運動が本格化したのは3月以降で、時間を有効に使えなかった面もある。市町村支部単位の後援会設置や連合会を組織化できず、基礎票固めや支持拡大に課題が多く残った。

  自民党入りがささやかれる平野氏も積極的に応援したが、昨年知事選での土壇場での不出馬が響き、いわて県民クラブの県議や業界団体との連携にもまとまりを欠いた。前回平野氏が獲得した約24万票の多くを取り込めず、「もろ刃の剣」となった。

  幸福・石川氏は、減税対策や国防強化など党の政策を訴え、「第三の選択肢」を標ぼう。地元の盛岡市での知人が多く、女性候補としても存在感をアピール。党として得票を大きく伸ばした一方、与野党対決に埋没した。

  10日現在の有権者数は109万2042人(男51万9324人、女57万2718人)で、岩手選挙区の投票率は57・78%と前回13年の57・53%を0・25ポイント上回った。



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