盛岡タイムス Web News 2016年  7月 13日 (水)

       

■  参院選 共闘の明暗(上) 田中陣営 「県内野党」脱せず 15年ぶりの自民20万票台 響いた都市部の敗北


     
   6月14日、公示前に盛岡市で行われた安倍首相の街頭演説で集まった田中氏(右)と平野氏(右から2人目)、県議ら  
   6月14日、公示前に盛岡市で行われた安倍首相の街頭演説で集まった田中氏(右)と平野氏(右から2人目)、県議ら  

 参院選岩手選挙区(改選1)は、野党統一候補と連立与党の自公による枠組みで雌雄を決した。2012年の民主党分裂により、県政界から一大勢力が消えて迎えた4度目の国政選挙。15年知事選で不発に終わった四分五裂後の与野党それぞれの新たな勢力結集が試された。結果は7万7888票差で野党に軍配が上がり、共闘の明暗が分かれた。戦いの舞台は政権交代を懸けた次期衆院選へと移るが、県政界の地殻変動は続く。

  25万2767票。自民党新人の田中真一氏は今回、前回13年の参院選より8万5618票も増票した。党公認の参院選候補としては15年ぶりの20万票台で、過去20年間でも01年の玉沢徳一郎氏が獲得した約29万9千票に次ぐ。得票率も約40%と健闘した。

  33市町村別でみると、野党統一候補で無所属新人の木戸口英司氏を半分以上の17市町村でしのいだ。14市に絞ると、勝ったのは宮古、釜石、遠野、八幡平4市のみ。人口の多い都市部で敗れた。

  盛岡市では5万1988票と14年衆院選岩手1区の党候補より約1万5千票上回った。木戸口氏陣営の中では盛岡で3万票差を見込む幹部もいたが、差は2万3514票。投票率が県全体で各陣営の予想よりも4、5ポイント上昇して前回並みとなり有利に働き、田中氏も票を積み上げた。

  党本部は終盤、全国の重点選挙区から岩手を外した。県連選対は戦術を練り直して選挙戦最終日2日間、盛岡市のみを回ったことも奏功した。ある県議は「あと3日あれば」と悔しがった。新人同士の戦いで24年ぶりに自民が議席を奪還する絶好のチャンスに、全県の得票差を7万5788票に詰めるのがやっとだった。

  今回も連立政権を組む公明党が推薦し、比例と連動したのに加え、民主分裂に伴い無所属になった平野達男参院議員が15年知事選のつながりから応援。生活の党現職の主浜了参院議員が勇退表明する中、主浜氏の地元・滝沢市の柳村典秀市長も支持を表明した。

  得票をみると、公明は前回より比例で約2千票減らした。平野氏の地元・北上市は選挙区で木戸口氏に敗れた。柳村市長のいる滝沢市でも14年衆院選の鈴木俊一県連会長を71票上回ったが、木戸口氏に及ばなかった。

  鈴木会長は、平野氏に関して元復興相として沿岸や地元の県南で「好影響があった」と効果を説く。滝沢市については「主浜さんの地盤で(木戸口氏を)自分の後継者として真剣に取り組み、その差が出たのかも」と分析。「加わってもらって運動に厚みを増したのは確か」と述べ、共闘関係を続ける考え。

  一方、昨年知事選で共に平野氏を応援した、いわて県民クラブは「個別対応」にとどまった。県民クは知事選不出馬後の平野氏の対応、仲間の及川敦元県議が自民の候補公募で田中氏と争ったこともあり、組織的な共闘にならなかった。

  ある沿岸の県議は自らの選挙区で健闘したものの「勝たなければ意味がない」と肩を落とした。県議会内の勢力拡大について「長い時間がかかる」と、野党勢力に対抗する結集の難しさを語った。

  鈴木会長は今回の戦いについて「県下で政治的な基盤は相手陣営の方が厚い。それを覆すには相当の運動量が必要だ。県議数では自民が(48人中)13人。精神的に応援してもらった県民クラブの方々もいるが、劣勢だった」と振り返る。

  県民クはじめ政権与党に近い県議や仲間をいかに増やして日頃からの政治的な基盤を築き、きわどい勝負へもつれ込むまで踏ん張れるか。次期国政選挙、想定される衆院選への課題だ。

  鈴木会長は「次は衆院選があると考えれば、4小選挙区支部長がおり、それぞれ自分でよく検討し、ここが弱いというのがあれば次に備え、きちんと対応する必要がある。私もやる」と語る。来夏以降なら3選挙区になる予定だが、比例代表もあるため対応は白紙という。

  党県連は月内にも会合を開く予定。
(大崎真士)


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