盛岡タイムス Web News 2016年  12月  7日 (水)

       

■  避難情報の市町村支援は 県防災会議分科会 地域の体制を議論


 県防災会議幹事会に設置された地域防災体制分科会(大槻英毅座長)の初会合は6日、盛岡市内で開かれた。台風10号で被害の大きかった岩泉町など自治体、有識者を交え、課題の整理と対応の方向性が協議された。避難準備情報への理解不足、経験のない大雨洪水被害の差し迫った状況で専門的に情報を処理できる人材の不在から、必要な支援体制を探った。

  同日は宮古、久慈、岩泉3市町と洪水被害の多い一関市から、台風10号災害時の情報収集や避難情報の発令について報告された。

  岩泉では8月30日午前9時に避難準備情報が発令され、避難者は2時間後に2人、午後2時に避難勧告が安家川流域に出され、避難者は1時間後に3人にとどまった。警察や消防などから寄せられた情報に追いつかず、町民からの問い合わせも相次いで少人数で対応に追われた。町長への情報伝達が不徹底になった。避難指示も出されなかった。

  越野修三岩手大地域防災研究センター客員教授は岩泉と久慈のヒアリング調査から、観測史上なかった降雨量などから▽経験のない事態への対応がイメージできない▽情報処理、分析できる職員の不足▽災害対応組織が平常業務の延長線上のまま―だと指摘。

  「(市町村長の)意思決定を補佐するスタッフ・組織機能をつくらないと、同じような轍(てつ)を踏む」と警鐘を鳴らした。

  齋藤徳美同大名誉教授は、岩手山火山で専門家の助言に基づいて知事が判断し、市町村長に助言するガイドラインの仕組みを紹介。「専門家の少ない市町村、首長のみに責任を担わせていいのか。国、県、専門家等が連携した支援体制が必要で、市町村へリアルタイムでかみ砕いた助言が必要だ。一気に情報が来れば総合的な判断はできにくい」と説いた。

  同分科会は来月6日も開かれ、対応の方向性を確定。計3回開かれる。幹事会で検討結果がまとめられ、3月の防災会議で防災計画の修正案が示される。 


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