盛岡タイムス Web News 2016年  12月  10日 (土)

       

■ バイナリー発電施設 つなぎで来年3月開始 温泉から45世帯分の量 盛岡市議会 熱の二次利用も見込む


 

 温泉熱を利用したバイナリー発電施設が2017年3月に盛岡市繋舘市地内で運転開始予定となっている。同地区のバイナリー発電は、温泉の熱で水を蒸気化させタービンを回して発電する。1時間当たり45世帯分の電気量に相当する20`hの発電を想定するほか、発電後の温泉熱の活用も見込む。バイナリー発電は、県内で初めてであり、全国的にも珍しい取り組み。9日の盛岡市議会12月定例会で、宮川寿氏、千葉伸行氏の一般質問に市が答弁した。

  同発電は、盛岡市とつなぎ源泉管理(佐藤匡子社長)が国に共同申請した、つなぎ温泉地域地熱活用事業。導入時点でエネルギー総合工学研究所が発電機を設置し、管理・運営しながら実証実験を行い、固定価格買い取り制度を利用して売電する。発電後の温泉熱は、地熱活用促成栽培ハウスのほかに乾燥野菜や温泉卵を製造する施設、岩盤足浴などを整備した源泉公園に利用する。実証実験後は、同研究所からつなぎ源泉管理が発電機を簿価買い取りし、メンテナンスをしながら売電を継続する。

  同地区で国の補助金を活用し資源調査した結果、つなぎ源泉管理所有の源泉の温度は86度から88度で、毎分400gの使用であれば、他の源泉井に影響を与えないことが分かった。一般的なバイナリー発電は、沸点の低いアンモニアやペンタンなどの物質を温泉熱で気化させて発電するが、同地区のバイナリー発電は、こうした物質ではなく水を使用するため環境にも優しい。当該源泉は発電機内で固着し、発電量低下の原因となる温泉成分が付きにくいことも分かっている。

  16年度は国の地熱開発理解促進関連事業支援補助金ハード支援事業(計画額1億2千万円)を受けて、給湯管やハウス、源泉公園の整備を実施。事業実施面では、発電後の温泉熱を利用した栽培ハウスや源泉公園の管理が課題となるが、金融機関の指導を受けながら採算性のある事業計画を立て、温泉内のホテルや旅館業者、観光協会、住民などにより設立したつなぎ温泉地熱利用促進協議会(高橋金兵衛会長)が、ハウスで栽培されたトマトの購入などで協力する。

  伊藤純環境部長は「今回つなぎ温泉地域で設置するバイナリー発電は出力は小さいものの、温泉の熱のみを利用し、発電後は温泉として利用できるほか、ハウス栽培などでの熱利用も可能な県内では初めての取り組み。今後は、つなぎ温泉地域の取り組みについて事例検証をするとともに、積極的な情報発信に努め、盛岡周辺地域における再生可能エネルギーの利用促進を図っていきたい」と話す。


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