盛岡タイムス Web News 2016年  12月  11日 (日)

       

■  「メイカー塾」で新たな匠 県が来年2月まで講座 3Dやレーザーなど会得


     
   本県でのメイカームーブメントの機運醸成を図るためクロストークする関係者  
   本県でのメイカームーブメントの機運醸成を図るためクロストークする関係者
 

 3Dプリンターやレーザーカッターなどデジタル工作機器の進化で、専門家に限らず、自らのアイデアを誰もが形作れるようになってきた。ものづくりがより身近になる中、自らのアイデアを形にし、他者と共有しながら社会全体の創造性や多様性の向上につなげる「メイカームーブメント」の機運を醸成するため、県はメイカー塾と題した講座を2017年2月下旬まで3回開催する。同塾開催を前に10日、キックオフイベントが盛岡市盛岡駅西通のマリオスで開かれ、本県でのメイカームーブメント展開の可能性を探った。

  キックオフイベントには、学生やさまざまな分野のものづくりに興味を持つ市民ら約100人が参加。地域企業との製品共同開発など地域に根付いたメイカームーブメントを実践する情報科学芸術大学院大学産業文化研究センターの小林茂教授が基調講演したほか、達増知事、小林教授、オライリー・ジャパン編集長の田村英男氏、岩手大大学院工学研究科の今野晃市教授によるクロストークが行われた。

  現在、作り手(メイカー)の祭典であるメイカーフェアは、世界各地で開催されており、自分が作ったものを見せ合い、自分がものづくりから学んだことをシェアする機会となっている。毎年8月に東京ビッグサイトで開催される「メイカーフェア東京」には、約350者が出店し、約2万人が来場する。

  メイカーフェア東京の事務局を務める田村氏は「新しいテクノロジーを使ったものが、これまでよりも簡単に、安く、高い機能で個人でも作れることがまだまだ知られていない。われわれの役割は、メイカーの裾野を広げること。大人が本気で遊び、楽しむことから、子どもにも刺激を受けてほしい」と岩手でのメイカームーブメントの展開に期待した。

  本県でもメイカームーブメントの動きは少しずつ広がっている。16年7月には、通算18回目となる東北地域における芸術科学の普及や人材育成を促進するため、優れた作品や技術を表彰するデジタルコンテンツコンテスト「アート&テクノロジー東北」が岩手大で開催された。

  同コンテストの主催者でもある今野教授は「作ったものを展示できる場所があることは、励みになる。3Dプリンティング、組み込みプログラム、写真計測なども充実し、作りたいものを作れる環境はだいぶ整っている。展示会に来る作り手と使い手の相乗効果により裾野が広がる。この先、必要なのは継続すること」と話した。

  県では、自らの発想を形にするものづくりを学ぶため、16年度にメイカー塾を開催。1月にはデジタル工作機器などをそろえた市民工房「ファブ施設」を活用したものづくりを学ぶ座学を実施するほか、2月には3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機器概論の実践講座を予定する。

  達増知事は「メイカームーブメントの取り組みが根付くためには、多くの県民にこういう世界があることを知ってもらうこと。メイカーフェアをやれればそれに越したことはないが、まずはメイカーフェア東京にチーム岩手みたいな形でグループ参加し、鍛えられながら岩手で事務局機能を果たし、イベントが開催できれば。行政でないところに人材がたくさん出てくるようにしたい」と今後の展望を話した。


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