盛岡タイムス Web News 2016年  12月  16日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉331 草野悟 名料理人松井大将のキノコ煮


     
   
     

 盛岡市中ノ橋にある老舗そば店「直利庵」の親方が、2カ月に一度の割合で宮古の家にいろいろな保存食を送ってくれます。三陸のカキのオリーブ煮やサケの親子漬など多彩な料理の数々です。何といってもすごいのは、松井親方のだしです。惜しげもなく高級昆布とかつお節を使う純和風だしがベースにあります。

  12月、届いたのはご覧の「白マイタケ」と「黒マイタケ」のしょうゆ煮です。恒例の三陸鉄道の社員たちと栄養補給の夕食会の時でしたので、社員にも思い切って(少々ケチな心が芽生え)振る舞いました。みな酒豪ばかりの社員たちですので、熱かんをぐびぐび飲みながら、「うわー、何だこりゃあ、うますぎるぞ」「そんなに一度にいっぱい取るな」「少しずつ取れよ」「あーご飯が欲しい」とかわめき散らし、あっという間にこの貴重なごちそうがすっかり空になってしまいました。

  実は、こんなこともあろうかと、1個を冷蔵庫に隠しておいたのですが、遠慮の知らない社員が冷蔵庫を開け「あ、あったー」と見つけてしまいました。泣く泣く最後の白マイタケを差し出す羽目になってしまったのです。まあ、厳しい冬の中、文句も言わずに黙々と作業をしている三鉄マンたちですから、栄養補給を兼ねた食事会、松井親方もきっと喜んでくれるだろうとほほ笑むしかありません。

  それにしてもこのマイタケのしょうゆ煮は、マイタケとだしの豊潤なうま味が重なり、自然の甘味とシャキシャキした歯応えが絶品で、うっとりしてしまう至高の味なのです。黒マイタケは力強い父親のように、白マイタケは優しい母親のように、それぞれが個性を出しています。いくら食べても飽きのこない味ですから、当然すぐになくなってしまうのも納得です。一緒に送っていただいた非売品の「御膳そば」も当然、屈強な三鉄マンのお腹に収まりました。ありがとうございました。

  三陸鉄道は、JR山田線の一部移管(宮古と釜石間)を数年後に控え、日本一長い第三セクター鉄道の誕生を目指し奮闘中です。恒例のクリスマス列車やこたつ列車も冬の風物詩として人気です。小さな会社で予算の余裕もなく、こうした社員の奮闘にかかっています。また栄養補給会をしなくちゃ、と思う毎日です。(岩手県中核コーディネーター)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします