盛岡タイムス Web News 2017年  3月  1日 (水)

       

■  盛岡二高の読書推進活動 ユニーク運営、効果大 校内“書店”にようこそ4年で10倍、貸し出し5000冊超す


     
   「ようさん堂書店」の看板を掲げた図書室で読書の楽しさを語る図書委員会の吉田奈央委員長と照井琴絵副委員長、菊池陽教諭(左から)  
   「ようさん堂書店」の看板を掲げた図書室で読書の楽しさを語る図書委員会の吉田奈央委員長と照井琴絵副委員長、菊池陽教諭(左から)
 

 盛岡二高(熊谷拓也校長、生徒601人)の図書室が、学校図書館を書店に見立てたユニークな運営で貸出冊数を大きく伸ばしている。生徒・教職員が共同で運営する「ようさん堂書店」として2013年度に取り組みを開始。12年度の貸出冊数は487冊だったが、各クラスの「支店長」に任命された図書委員の努力で年々冊数を伸ばし、今年度は4年前の約10倍となる5千冊を既に超えた。吉田奈央委員長は「普段あまり本を読まない人にも図書館に来てもらおうと呼び掛けた。たくさん読んでもらえてうれしい」と話す。

  同図書室の開架図書は約1万9千冊。明るく解放的な雰囲気で、特に3年生に人気の新書本が充実しているのが特徴。盛岡ゆかりの作家柚木裕子さんの「慈雨」など話題の単行本・文庫本もそろえている。

  「読みたい本があったらリクエストしてください」。朝のホームルームで月2回、図書委員が呼び掛け、図書科主任の菊池陽(よう)教諭と図書館事務補助の藤澤悦子さんがリクエストカードを基に選書。学校の予算内で随時購入している。

  各クラス2人の図書委員は、クラスの貸出状況をチェック。貸出数が少なければホームルームで新着本を紹介して「ようさん堂書店」の魅力をPR。「岩手の読書週間」(2月1日〜14日)に合わせた集中的な読書推進活動も展開している。

  生徒のリクエストにフットワークよく応える魅力ある蔵書と図書委員を中心にした全校の活動が両輪に。13年度767冊、14年度2065冊、15年度3633冊と実績を重ね、16年度は今年2月のテスト明けに5千冊を超えた。

  高校に入ってからJ・R・Rトールキンの「指輪物語」を改めて読み、ファンタジーの世界に夢中になったという照井琴絵副委員長(2年)は「いつ図書室に来ても本が分かりやすく並べられていて、使いやすい。きっと好きな本が見つかると思う」と話す。

  16年度の第62回青少年読書感想文岩手県コンクール(県学校図書館協議会、毎日新聞盛岡支局主催)では、最優秀賞2作品(自由図書・課題図書)に同校の石垣瑛李花さん(3年)、亀山好美さん(2年)の作品が選ばれ、このほど全国コンクールでも入選が決まった。

  石垣さんと亀山さんは「高校の図書室を利用することで、中学時代より本を読むようになった」と声をそろえる。

  「ようさん堂書店」の生みの親の菊池教諭は「生徒が主体になり、高校生の視点を生かした取り組みが成果につながった。普段からたくさんの本を読むことで、読書感想文を書くときの生徒の選書の目に、はっとさせられることがある」と手応えを感じている。


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