盛岡タイムス Web News   2017年  7月  22日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 泉山圭 盛岡市の水


 

 普段何げなく飲んでいる蛇口から出る水。盛岡市で生まれ育った身としては、小さい頃は水を飲んで特別においしいと感じたことはなかった。ところが、東京で過ごした大学時代、水道水を飲んで盛岡の水のおいしさに気付かされた。技術の進化で、首都圏の水道水もおいしくなっているとは聞くが、盛岡の水とは雲泥の差だった。

  先日、市内の歴史的建造物を取り上げた企画で、同市の水道事業が開始された1934年に完成した米内浄水場を取材した。国有形文化財に登録された建物だけでなく、同浄水場のろ過方式の説明も聞いた。一般的な浄水場では、薬品を用いて短時間でろ過する急速ろ過方式が主流となる中、同浄水場では昔ながらの緩速ろ過方式を併用している。

  ろ過砂と砂の表面に増殖した生物膜で時間を掛けてろ過する緩速ろ過方式は、薬品を使用しないため、原水のきれいさが欠かせない条件となる。原水をきれいに保つためには、上流域の豊かな自然が必要。同市では、98年度から中津川流域で計画的な水源涵養(かんよう)林の取得を続け、その面積は約265fに上るという。盛岡のおいしい水の秘密がここにもあった。

  市役所のすぐ横を流れる中津川には、7月にはアユ釣りを楽しむ釣り人の姿が見られ、秋には、そ上するサケを橋の欄干から多くの市民が眺める。県庁所在地の市街地で、こうした光景が見られるのは珍しい。車で自宅から30分圏内に、渓流釣りが楽しめる川があるのも、釣り好きとしてはたまらない。2013年には簗川のアユが第16回清流めぐり利き鮎会で準グランプリを獲得するなど、もちろん釣れる魚の味も水の良さに比例している。  


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