盛岡タイムス Web News   2017年  8月  11日 (金)

       

■  中小企業を未来へつなぐ 後継者難など打開探る 県事業承継NW連絡会議 年度内に支援方針策定


     
  県事業承継ネットワーク連絡会議の初会合(10日)  
  県事業承継ネットワーク連絡会議の初会合(10日)
 

 県事業承継ネットワーク連絡会議が設立され、10日に盛岡市内で初会合が開かれた。中小企業庁の2017年度新規事業として、県内では現時点で行政と支援機関等20団体で構成。盛岡商工会議所(谷村邦久会頭)が本県の地域事務局を担う。中小企業者の高齢化や後継者不在の実態を踏まえ、円滑な事業承継の支援体制強化が狙い。初会合では年内に県内500社を対象に事業承継診断、県主導で年度内に支援方針をまとめる目標が確認された。

  県商工会連合会の調査によると、県内では60歳以上の経営者が約6割を占める。後継者については「事業を継がせる候補者がいない」または「事業を継がせる意志がない」と回答した企業が4割以上あった。東日本大震災津波で被災した事業所対象の調査では後継者不在を経営上の課題に掲げた事業者が2割を超え、上昇傾向にあるという。

  後継者不在は中小企業者それぞれの問題にとどまらず、伝統工芸などの地域文化の継承にも影を落とす。夏祭りや花火大会の協賛が減ることにもつながると懸念され、地域の活力も失いかねない。

  こうした中、中小企業庁は18年度までに47都道府県全てでネットワーク構築を目指している。17年度は本県を含む19県の地域事務局が採択された。初年度は国補助、次年度以降は県補助で継続される。

  本県ネットワークは県、県商工会議所連合会、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、銀行や信用金庫、東北税理士会県支部連合会、県よろず支援拠点、岩手弁護士会などで構成される。東北財務局盛岡財務事務所、ネットワークの支援に回る中小企業基盤整備機構も関係機関として参画する予定。

  連絡会議等を通じ、中小企業者の現状と承継に関する課題について参加機関が意識を共有。県策定の事業承継支援の方針などから、本県の特性を踏まえた特色ある支援策や支援体制が確立される。趣旨に賛同する団体の拡充も図られる。

  事業承継診断については各県が取り組む。地域の中小企業者の現状把握、相談ニーズや課題の掘り起こし、今後の支援のきっかけ作りが狙い。県内では対面方式により構成団体が協力して500事業者を目標に診断。10月から開始し、年内をめどに行われる予定。

  県商工労働観光部の藤村真一経営支援課新事業・団体支援担当課長は連絡会議の冒頭、あいさつで「中小企業の経営者の高齢化や後継者の不在は全国的な課題。本県でも同様の状況にあり、事業承継にかかる課題が顕在化している。震災からの復興の先を見据え、円滑な事業承継のための支援体制強化が必要だ」と出席者に連携を訴えた。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします