盛岡タイムス Web News   2017年  8月  23日 (水)

       

■  23年春の本格運転見込む 環境影響手続き3段階目 安比地熱発電所、総合評価「適正」


     
  発電所の完成予想図(提供・安比地熱)  
 
発電所の完成予想図(提供・安比地熱)
 

 八幡平市安比高原の国有林内に設置予定の安比地熱発電所(仮称)の工事は今後の手続きが順調に進めば、2018年8月から19年にかけて土地造成と国道282号につながる道路工事を予定している。発電設備の工事は19年8月以降に開始。多雪地域であることを考慮して積雪期は行わない。22年12月に発電設備の試運転を行い、23年3月から本格運転開始を見込んでいる。

  同発電所の計画に関しては、盛岡市内でこのほど開かれた環境影響評価技術審査会(由比正敏会長)で環境影響評価の調査結果が報告され、質疑応答が行われた。

  今後は、準備書の知事意見の送付が10月20日を期限に行われる。

  発電所設置は、04年度から三菱マテリアルと三菱ガス化学の2社で検討。15年10月に2社の合弁会社・安比地熱を設立。出力は1万4900`hで敷地面積は約18f。約14・8fの発電所施設に生産井4抗、還元井3抗、冷却塔1棟などの設置を予定する。

  審査会では、環境影響評価の調査・予測評価結果を報告。項目は大気環境、水環境、動植物生態系、景観など。発電能力1万`h以上の地熱発電所は4段階の環境影響評価手続きを完了させる必要があり、準備書は3段階目となる。

  総合評価では事業を「適正」と評価。「環境保全措置を講じることで実行可能な範囲内で環境影響を回避・低減し、国や地方自治体が定める環境基準と目標の維持・達成に支障を及ぼさない」とした。

  大気環境の硫化水素調査は、15年夏から16年春まで実施。硫化水素濃度を設置予定地の周辺9地点で24時間連続測定し、平均値は0・004ppmから0・92ppm。冷却塔を中心とした硫化水素の着地濃度は、風洞実験と数値モデルで予測。最大着地濃度は0・36ppmだった。

  結果は、厚労省05年度の「屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドライン」の硫化水素管理濃度の値(1ppm)を参考値に整合性を図った。冷却塔から排出される空気と混合希釈して上昇させるなど環境保全措置を行うことで、低減が図られるとした。

  出席した委員は、国有林内の自然環境への保全措置について質問。県立大の平塚明教授は「どのような条件下で(冷却塔から)大量の白煙が出るのか」とただした。

  安比地熱は、冷却塔から排出される硫化水素による植生への影響を数値モデルで予測。結果は最大で1・8ppmだった。大量の白煙は気象条件によって発生状況が異なるとの見解を示した。この他、ノスリなど希少動物の保護について委員から意見を聞いた。


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