盛岡タイムス Web News   2017年  9月  2日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 佐々木貴大 花開いた伝統の力


 
 第99回全国高校野球選手権大会の取材のため、移動日などを含め計12日間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場に出張した。ベスト8入りした盛岡大附ナインとともに駆け抜け、文字通り死力を尽くした取材だった。盛岡でサポートしてくれた上司、同僚に感謝したい。

  今年の盛岡大附はとにかく強かった。2010年の入社以来、多くの県内高校野球チームを見てきたが、その中でも最強と思える強さだった。盛岡大附で言えば、主戦左腕出口心海に二橋大地と佐藤廉の大砲2枚をそろえた2012年度や、後にドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに進んだ松本裕樹を擁する14年度なども上位にくるが、それを上回るインパクトを残した。

  その強さを実感したのは3回戦の済美戦。息詰まる接戦の中、1点を追う9回表に植田拓(3年)の本塁打で同点に追い付くと、10回表に一挙5点を挙げ逆転勝利。試合中、選手たちは劣勢でも常に笑顔で、余裕を持ってプレーしていた。

  強さの源は何だろうと考え、「伝統の力か」と納得した。初出場時に捕手を務めた関口清治監督をはじめ、多くの先輩が積み重ねてきた学校としての経験が伝統となり、その上に現在の選手たち力が加わり、初の甲子園3勝につながったのだろう。

  ちなみに、今回が自身にとって通算5度目の甲子園取材。過去の取材手法に加え、新たな試みとしてベンチ横カメラマン席で試合を撮影した。過去の甲子園や県大会で培った技術と知識を総動員して選手を追い続け、撮影枚数は毎試合1千枚を超えた。中でも済美戦で撮影した植田の同点本塁打は自分の中でも会心の1枚で、カメラの画面で確認した時には鳥肌が立ったほどだった。

  一方で、取材以外の部分は毎度のごとく苦しんだ。頭の中がゆで上がるような蒸し暑さに、慣れないホテル生活。拠点とした梅田駅周辺の土地勘も薄く、スマートフォンのナビと乗換案内を頼りに歩き回る日々が続いた。行くたびに必ず迷子になる伝統は何とか払拭(ふっしょく)したい。


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