盛岡タイムス Web News   2017年  9月  10日 (日)

       

■  郷土菓子を追究し特許 食感と硬さを絶妙に 盛岡市の炉何煎 南部せんべいの製造技術


     
  特許取得の製造法で作った南部せんべい「かかりび」  
  特許取得の製造法で作った南部せんべい「かかりび」
 

 盛岡市仙北2丁目の煎餅店「炉何煎(ろっかせん)」が8月、南部せんべいの製造技術で特許を取得した。認定されたのは、サクッとした食感とちょうど良い生地の硬さをつくる3種類の国産小麦の配分や、香ばしい香りとこくのある味わいを生み出す材料の調合、焼き加減など。佐々木勇代表(68)は「味気ないと感じられがちな南部せんべいの評価を、この煎餅で高めていけたら」と期待を込める。

  南部せんべい「かがりび」は、同店の定番商品。創業時から一貫して機械に頼らず製造していたが、東日本大震災後から復興応援の注文が増えたため、ミキサーと種切り機を導入した。しかし、これまで通りの材料配分で機械にかけると、生地の堅さが不安定になるという課題に直面。3年間の試行錯誤の末、ナンブコムギ・ゆきちから・ネバリの国産小麦と中力粉を調合して生地の硬さを安定させ、小麦胚芽、トレハロース、水あめなどを使い、季節ごとに異なる小麦の味わいを一定に保つことに成功した。小麦胚芽の甘みで煎餅の塩気が引き立ち、煎餅の味わいの深みとこくが増したという。

  佐々木代表は「パン教室を開いている妻のアドバイスから3種の小麦を使った。味気ないと言われる南部せんべいの評価をくつがえすようなこく、甘み、食感を生み出せた」と語り、「手作業の時よりおいしい煎餅になった」と胸を張る。県南部煎餅共同組合(6組合員)の理事長でもある佐々木代表は、この煎餅の製造技術を他県に広げることで南部せんべいの文化をさらに発展させたいという。

  かがりび(ごま、ピーナツ)は14枚入り、税込み324円。

  同店は1932(昭和7)年に創業。これまで2度、煎餅製造で特許を取得している。初の取得は1986年、米胚芽入り煎餅の製造法。油分が少ない胚芽を焦がさないよう調味料や焼く温度を調整し、パリッとした煎餅を仕上げた。次は1999年、白玉粉や上新粉を使った餅生地で生せんべいを作る技術。ゴマやクルミなど南部煎餅の具材を生地に練り込み、餅菓子風味の南部せんべいを開発した。


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