盛岡タイムス Web News   2018年   4月  13日 (金)

       

■  県工業技術セン 東北初の大型電波暗室 ものづくりイノベセンター開所 地元企業に国際競争力を 全国初の金属専用3Dプリンターでラボ


     
  東北の公設試験場初の大型電波暗室  
 
東北の公設試験場初の大型電波暗室

 

 岩手県工業技術センター(木村卓也理事長)の新たな研究棟「ものづくりイノベーションセンター」が12日、開所した。公設試験場では東北初の大型電波暗室を備えた「EMC評価ラボ(研究室)」、全国初の金属専用3Dプリンター・電子ビーム金属積層装置を置く「次世代ものづくりラボ」を設置。建築、機器購入費など総事業費は12・4億円。国際規格に対応する測定装置をそろえ、岩手のものづくり産業の国際競争力向上を支援する。

  研究棟は1階建て、延べ床面積1760平方b。グローバル化やIoT(モノのインターネット)の進展に対応する製造技術を促進するため、2014年度に県単独の事業として建築計画を始動。その後国の地方創生に係る交付金を受け完成した。

  EMC(Electro Magnetic Compatibility)評価ラボには、製品から発生する電磁波の強度や、電磁波による製品の不具合を調査測定する「大型電波暗室」を設置。電気自動車1台が入る広さで、製品を置くターンテーブルと測定アンテナが10b離れており、国際基準で電磁波の放射強度を測定できる。「多目的電波暗室」でも同様に空中に放射される電磁波や、製品の電磁妨害の耐性などを測定できる。その他、電源線やケーブルに漏えいする電磁波の強度などを調べる「シールドルーム」3室もある。

  次世代ものづくりラボは、3Dものづくり・新素材・IoTに分かれる。「3Dものづくりラボ」には、医療機器や航空機などの部品の設計、製造、評価を行う金属製品用3Dプリンター機器を設置。その他、新しい素材を評価する「新素材ラボ」、工場の高度化につながるIoT機器やロボットの試作、評価を行う「IoTラボ」がある。

  同日に開所式が開かれ、木村理事長や達増拓也知事、県工業クラブの谷村久興会長、東北経済産業局地域経済部の蘆田和也部長がテープカットを行った。

     
  金属専用3Dプリンターでできた製品を手に取る達増知事(右側)  
  金属専用3Dプリンターでできた製品を手に取る達増知事(右側)
 


  木村理事長は「同センターの開所によって国際規格に対応する電子機器の測定、評価が可能になり、三次元デジタルのものづくり技術や、IoT機器の開発支援を強化できた。設計、開発、試作、評価まで一貫した支援を行なえる県の産業新興の中核として、今後も地元企業の支援に取り組みたい」とあいさつした。

  達増知事は「付加価値の高い製品開発や海外への販路拡大が促され、岩手のものづくり産業が次世代に向かって発展することを期待する」と祝った。

  谷村会長は「EMC評価ラボの設置により、これまで茨城県つくば市の研究施設で行っていた機器の評価が、岩手でできるようになった。地元の製造会社としてとてもうれしい」と喜びを語った。

  同センターは1873(明治6)年に県勧業場として開所し、143年の歴史を持つ全国最古の公設試験場。1994年に現在地に新築移転。新設した研究棟は、最大のプロジェクトとなった。


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