盛岡タイムス Web News   2018年   5月  13日 (日)

       

■ 建立10年、薫風の碑前祭 盛岡の歌人の大西民子 記念歌集を刊行予定

     
   
 
歌碑に献花をたむける生徒たち
 


 第10回「きららか歌碑」碑前祭(もりおか民子の会主催)が12日、盛岡市本町通の上の橋緑地で開かれた。1994年に69歳で急逝した同市八幡町生まれの歌人・大西民子さんを顕彰し、毎年誕生日の5月に開かれている。同会の阿部正樹会長、市関係者、波濤(はとう)短歌会、大西さんの母校である県立盛岡二高(旧・市立盛岡高等女学校)の生徒ら70人が出席。献花や短歌朗読、合唱を行い、多くの人をひきつけた大西さんの作品の奥深さに浸った。

  出席者による献花後、盛岡二高文学研究会の部長・千葉美優さん(17)、牛越凜さん(17)、齊藤花歩さん(16)が「私の好きな一首」をそれぞれ朗読。牛越さんは「マニキュアの もう一色を買ひて来て はなびらいろに よみがへる指」を読み、「マニキュアの色を明記せずに読み手に想像をゆだね、『花びら色』から明るい色を想像させる表現力に感動した。下の句からは指が明るい色に染められ、気分が高揚する様子が想像できる」と作品に対する自分の見解を語った。

  同校音楽部は、チェロ奏者の平井丈一朗氏作曲の歌碑に記された短歌の合唱曲や校歌など5曲を歌い、新緑の川辺に透き通る歌声を響かせた。

  阿部会長は「10回目を迎えられたことをうれしく思う。日常のささやかな事象を切り取り、凜として心に訴える詩を詠んだ大西さんのことを市民に広めていきたい」と話していた。

  同会は、歌碑建立10周年を記念して全作品5千首から100首を選定した小冊子「大西民子愛誦歌集 南部片富士」を今月中に刊行する予定。

  大西さんは、石川啄木に憧れて短歌を作り始め「まぼろしの椅子」など歌集9冊を刊行。迢空賞、詩歌文学館賞、紫綬褒章などの功績を残した。歌碑に刻まれている「きららかに ついばむ鳥の 去りしあと 長くかかりて 水はしづまる」は、平井氏によって曲がつけられた。望郷歌を詠み続けた大西さんをしのび、2009年5月8日に同会らで記念碑が建立された。


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