盛岡タイムス Web News   2018年   5月  22日 (火)

       

■  奨学金返済に独自の支援 月額1万円の手当、3年間 保育士確保へ待遇改善 正職員対象に滝沢市保育協会 初年度は8人見込む


     
  「保育の質向上につなげたい」と話す小山理事長(右)ら市保育協会  
  「保育の質向上につなげたい」と話す小山理事長(右)ら市保育協会
 

 滝沢市保育協会(小山尚元理事長)は2018年度から、市保育協会に採用された勤務年数3年以内の正職員に、月額1万円の奨学金支援手当を3年間支給する制度を新設した。市保育協会独自の取り組み。若い職員の給料を実質的に引き上げて経済的負担を軽減する。全国では国や民間事業者、本県でも県や花巻市や野田村に支援制度があるが、市町村の社会福祉法人独自の取り組みは珍しい。保育士確保の一手として期待される。

  滝沢市保育協会の新制度は、勤務年数3年以内の正職員に適用。大学院、短期大、専門学校などを卒業か中退し、奨学金を返済中であることが条件。採用した月から3年間支給し、支給期間内に奨学金返済が終了した場合は最終返済月まで支払う。18年度の正職員数は102人。定員は現在定めておらず、今年度は8人への支給を見込む。

  新制度の背景には、保育園職員の人手不足がある。市によると、市内には認可保育所14カ所、認定こども園とへき地保育所が各1カ所ある。4月に元村保育園とハレルヤ保育園で園舎を増改築し、市の園児の定員は17年7月の1295人から1340人に拡大した。

  しかし、園児の入園待ちは4月末現在も続いている。市児童福祉課によると17年10月時点で、33人が入園を待つ。県全体では17市町村681人が待機している。

  待機の理由として、保育士の就職先に比較的給料などの待遇が良い都会の保育園を選ぶ傾向が挙げられる。また、保育士以外に保育園看護師も不足している。0歳児や1歳児は急な発熱が多く、インフルエンザの感染症予防などメリットは大きい。だが、求職者側にとっては一般的な病院よりも給料水準が低いことから選びにくく、求人側も配置が努力義務のため大規模な保育園以外では求人が限られているという。

  こうした社会情勢の中、子育てを一つのキーワードとして独自の取り組みを進める市町村も多い。

  盛岡広域圏では、雫石町が今年度、子ども子育て支援課を新設。町立保育所に勤務する4人の臨時保育士の給与待遇を改善し、月額で約1万2千円引き上げた。子育てコンシェルジュとして地域おこし協力隊員1人を採用。自宅で子育てする家庭のため、在宅子育て応援給付金も始まった。八幡平市では、保育士確保の施策を検討している。

  県でも保育士の待遇改善のため、保育体制強化事業費補助、保育補助者雇用強化事業費などが始まった。修学資金貸付事業の拡充など、保育の現場の業務負担軽減と離職防止対策を進めている。

  今回の滝沢市保育協会独自の取り組みは、都会の保育園を選びやすい若い保育士の県外流出を防ぐ意味もある。小山理事長は「制度があることを知ってもらい、優秀な人材に市の保育園を選んでほしい。市内の保育園は現在、職員への理解を深めて働きやすい職場に変わろうとしている。社会情勢に合わせた働く場所に改革していくことが必要だ」と話している。


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