盛岡タイムス Web News   2018年   5月  31日 (木)

       

■  下見板系擬洋風の先駆け 旧紫波郡役所庁舎調査 町が結果まとめる 文化財の価値が明確に 敷地活用の協議本格化へ


     
  詳細調査が終わり、文化財価値が明らかになった旧紫波郡役所  
  詳細調査が終わり、文化財価値が明らかになった旧紫波郡役所
 

 紫波町教育委員会は、昨秋から行っていた同町日詰西裏の町指定文化財「旧紫波郡役所庁舎」の調査結果をまとめた。建物と各種文献調査で、明治期の県内の役所庁舎建築における、下見板系の擬洋風建築のデザインでは先駆け的存在であることが分かった。旧郡制下で使用された県内に現存する唯一の郡役所で、1975(昭和50)年の町指定だが、今回の詳細調査で文化財の価値が初めて明確になった。所在地の旧町役場庁舎敷地は今後の活用に向け、町民や有識者で構成する検討委員会を設置している。今回の調査結果を踏まえ、協議が本格化しそうだ。

  同役所庁舎は1898(明治31)年完成。町教委によると、本県には13郡役所があったが、紫波郡役所と類似した様式は稗貫郡(建築年・1902年)、東磐井郡(1903年)、上閉伊郡(1913年)、西磐井郡(1911年)の各役所だが、いずれも建築年が紫波郡よりも後になっている。

  このうち旧稗貫郡役所庁舎は、復元したものが花巻市大迫交流活性化センターの展示館に使用されている。1885年完成の下閉伊郡役所などもあるが、意匠が大きく異なり、和風の要素が強い。

     
  和風のデザインが施された玄関ポーチ  
 
和風のデザインが施された玄関ポーチ
 


  建物の構造では、完成後に増改築や曳家が繰り返されたことも分かった。59(昭和34)年の配置図では、現存する建物以外にも建造物があることが確認できる。同役所がある敷地内で、1960年に旧紫波町役場庁舎が完成した際、国道4号沿いから反転して現在の位置へ移っている。その際、規模が縮小した。

  また、全体的に洋風としながらも細部には和風の造りがほどこされている。屋根も現状は鉄板ぶきだが、完成当時は瓦だった。現存する建物は木造2階建て、延床面積は181・81平方b。

  完成後26(大正15)年までの27年間、紫波郡役所として使用された。1929年に旧日詰町が県から同役所へ払い下げられ、農業組織の事務所などとして使用。町村合併で紫波町が誕生した55年4月には、町役場の主庁舎としても使われた。

  同町旧庁舎敷地活用検討委員会では、今回の調査結果を踏まえ敷地の価値向上に向けた協議をするため、6月中旬に次回の会合実施を予定している。


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