盛岡タイムス Web News   2018年   6月  7日 (木)

       

■  旧雇用促進住宅 「ビレッジハウス」に新装 米の投資会社が取得 低賃で入居者募集 生活保護、仮設転居も促進


     
  入居者募集中の「ビレッジハウス厨川」  
 
入居者募集中の「ビレッジハウス厨川」
 

 厚労省管轄の旧雇用促進住宅をリノベーションした低価格帯賃貸住宅「ビレッジハウス」の入居者募集が県内でも本格化している。敷金、礼金、保証人がいらず、月額賃料は、間取り2Kで2万1千円からと民間賃貸住宅の相場に比べてかなり低め。賃貸住宅の入居契約が難しいと言われる単身の高齢者や生活保護受給者、災害仮設住宅からの転居者らの受け入れにも積極的に応じたいとしている。

  ビレッジハウスは、政府が2021年までの廃止を決定した旧雇用促進住宅を米投資会社フォートレスインベストメントグループが取得し、リノベーションした物件。県内には48物件、約4110戸あり、入居者の希望なども考慮した上で改修し、準備が整った1870戸で入居者を募集している。

  必要な修繕だけでなく、和室の洋室化や間取りの変更など、現代のライフスタイルを考慮して手を加えているのが特徴。収入が多くない若年世帯や、保証人がいないなどの理由で一般物件の賃貸契約が難しくなっている高齢者らにとっては住まいの選択肢が広がる。

  県内のスタンダードタイプの月額賃料は、2Kから3DKの間取りで2万1千円から5万4千円(エアコンの敷設などオプションによって追加料金が発生)。昨年11月の募集開始から5月末までに206件の入居申し込みがあり、4月末までに157世帯が新規に入居した。

  このうち、IGRいわて銀河鉄道の厨川駅から徒歩14分の立地の「ビレッジハウス厨川」(盛岡市厨川4丁目)は、1965年に建築された鉄筋コンクリート造4階建ての4棟、総戸数120戸(2Kタイプ80戸、3DKタイプ40戸)。雇用促進住宅時代からの継続入居世帯を含め、91世帯が既に入居しており、現在24戸で入居者を募集している。

  台所や居間をフローリングに改装し、エアコンを敷設した3階の3DK(57・96平方b)タイプの物件は、月額賃料が5万4千円。スタンダードタイプであれば3DKで4万7千円、2Kで2万2千円から入居できる。

  築年数は古いが、公共住宅だった経緯から耐震診断や補修は丁寧に実施しており、安全性や耐久性は問題ないという。盛岡広域では、盛岡市流通センター北や滝沢市大崎、紫波町北日詰、同町日詰、矢巾町広宮沢などの物件でも入居者を募集している。

  旧雇用促進住宅は政府が廃止を打ち出したことで入居者が減り、転居予定のない世帯は不安を抱えていた。ビレッジハウス厨川が雇用促進住宅だった時代から丸19年入居している府金良光さん(77)は「民間の買い手が見つからなければ、退去せざるを得ない状況だった。新たな入居者の募集が始まりほっとしている。駅やスーパーも近く生活の便はいい。入居者同士が顔を合わせる機会がほとんどなかったので、新たなコミュニティーづくりが進んでほしい」と願う。既存の入居者は10年間、これまでと同じ賃料で住める。

  ビレッジハウス広報によると、全国的に自治体による公営住宅の削減が進む一方で、入居希望の応募は増え続けており、低価格帯賃貸住宅の需要は高い。物件運営を担当するビレッジハウス・マネジメント営業本部の森亘・東北エリア担当マネージャーは「認知度を高め、低所得者層、生活弱者の住まいの受け皿としての役割を積極的に果たしていきたい」と話す。

  ビレッジハウスに関する問い合わせはフリーダイヤル0120―830―105へ。

  ■雇用促進住宅

  炭鉱労働者の転職を容易にするため、1961年に整備を開始。一般労働者にも対象を広げ、全国に整備された。規制緩和の一環で譲渡・廃止の方向となり、2007年に第一次安倍内閣が21年度までの廃止を閣議決定。自治体などへ譲渡が進められたが難航し、所管する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(千葉市)が全国約2900棟を東西2ブロックに分けて民間へ一括売却した。競争入札の結果、東西ブロックとも、唯一応札したフォートレスインベストメントグループが取得している。


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