盛岡タイムス Web News   2018年   7月  12日 (木)

       

■  新規高卒地元採用 人材確保に躍起 待遇改善、育成プランなどPR 盛岡公共職業安定所管内 求人事業所と県内高校が情報交換


     
   地元企業の採用担当者が大勢参加した情報交換会。各高校のブースで採用意欲をアピール  
   地元企業の採用担当者が大勢参加した情報交換会。各高校のブースで採用意欲をアピール
 

 2019年3月卒予定の高校生を対象にした求人票が公開され、生徒の進路選考が本格化する中、盛岡公共職業安定所(佐々木義彦所長)と盛岡地域雇用開発協会(小暮信人会長)は11日、盛岡市内のホテルで、管内の求人事業所と県内高校進路指導担当教諭らとの情報交換会を開いた。6月末現在、盛岡管内事業所からの新規高卒予定者を対象とした求人の受理件数は611件(前年比6・6%増)、1540人(同6・1%増)。給与水準の高い首都圏企業などの採用意欲も増している。会場は人材確保に危機感を持つ地元企業の採用担当者であふれた。

 情報交換会は、夏休み前の的確なマッチングで盛岡地域への若年労働力の定着を目指そうと毎年、開かれている。高校は特別支援学校を含め39校が参加。人材確保の厳しさを背景に、管内事業者は前年度の192社を上回る200社余りが参加し、採用担当者が各校のブースを訪問して仕事の内容や雇用条件を説明した。

  岩手労働局によると、6月末現在の新規高卒予定者を対象にした求人数は、県全体で1977件(同12・4%増)、5364人(同21・7%増)。北上市で20年に稼働開始予定の半導体メーカーの大量求人の影響もあり、バブル期をしのぐ求人数となっている。

  求人が求職を大きく上回る売り手市場とあって、企業側はPRに躍起。待遇や人材育成プランを見直して採用に力を入れる企業が目立ち、各高校のブースで順番待ちの長い列ができた。

  盛岡市などに美容室11店舗を展開する花耶(同市)の橋本葉子本部長は「全国的に美容師を目指す若者が減少しており、関東圏などからも積極的な求人がある。他職種との競争に加え、同じ業界の中での競争もあり厳しい」と話す。働きながら専門学校へ通う従業員のための支援制度なども充実させたと言い「各店少なくとも1人ずつの新規採用は目指したい」と語った。

  八幡平市のサラダファームの運営など6次産業化にも力を入れる岩手エッグデリカ(同市)の内藤伊津雄総務部長は、周りの企業の採用意欲の高さに驚く。首都圏企業の雇用条件と比べられることを前提に、賃金表を整備し退職手当も改善。「6次産業化を目指すことで、同じ企業内で職種の幅が広がり、若手職員が経験を積める機会も増えている。地元の子どもを積極的に採用し地域に貢献したい」と話した。

  高校生3人の採用を目指す、地熱エンジニアリング(滝沢市)さく井部グループリーダーの清野克也さんも売り手市場の厳しさを実感。「黙っていても就職希望者が集まる時代もあったが今は違う。全国的に名前が知られた大手企業に生徒の関心が向きがち。地熱エネルギーを生かし、世の中に貢献できる仕事であることをアピールしたい」と気を引き締めた。

  一方、高校側は、生徒の選択肢が広がる中で、長く働き続けられる職場の選択など、人生設計を見据えた職業選択の指導に力を入れる。盛岡工業高の菊池平土木科長は「建築、土木関係は人材不足が顕著。給与の改善や完全週休2日制の導入をアピールする企業も多かった。本人の希望が第一だが、長年のつながりがあり、卒業生が辞めずに頑張っている企業はやはり大事にしたい」と言う。

  盛岡誠桜高の小笠原智恵子教諭は「前回担当した3年前に比べても、求人数は圧倒的に増えている。学力よりも、明るく元気でコミュニケーション能力の高い生徒を求める声が多く、人間力の指導に力を入れなければ」と話した。

  盛岡商業高は、前年度に比べ1・5倍は求人票が増えている感触という。平山道郎進路指導主事は「企業側の期待が大きくプレッシャーを感じるほど。売り手市場で、逆に生徒の気持ちに緩みが出ないよう引き締めたい。生徒の希望の多い事務職の求人は限られており、いろいろな企業に幅広く視野を広げられるよう指導していく」とした。


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