盛岡タイムス Web News   2018年   8月  10日 (金)

       

■  美学と感動で観光案内 デイ・デザイン・トラベル 神藤秀人編集長 秋に岩手版刊行


     
   ディ・デザイン・トラベル編集長の神藤秀人さん。地元住民しか知らない魅力を探り、よそ者の目線も生かしながら岩手の個性と向き合う  
  ディ・デザイン・トラベル編集長の神藤秀人さん。地元住民しか知らない魅力を探り、よそ者の目線も生かしながら岩手の個性と向き合う
 

 デザインの視点で都道府県ごとの観光を紹介するガイドブック「d design travel( ディ・デザイン・トラベル)」の岩手版の制作が、今秋刊行を目指し進められている。「岩手らしさ」とは何か。編集部が住み込み取材を含め約2カ月間、県内を周り、実際に体験して感動したものだけを紹介する。発刊に併せ、東京で誌面と連動した展覧会や新作落語発表会も開催予定。立体的に岩手を感じ、旅したくなるきっかけを作っていきたいという。

  ガイドブックを制作するのは東京に拠点を置くD&DEPARTMENT PROJECT(ディアンドデパートメントプロジェクト、ナガオカケンメイ代表)。これからを生きる世代が日本中と交流するためには「デザインの目線」が重要と考え、2009年発刊の北海道を皮切りに、47都道府県のガイドブックの作成を進めている。岩手版は24作目で、東北地方では山形に続く発刊。

  「ロングライフデザイン」(長く続いていくであろう本質を持ったもの)を見極めながら、その土地の魅力を紹介。▽その土地らしいこと▽その土地の大切なメッセージを伝えていること▽その土地の人がやっていること▽価格が手頃であること▽デザインの工夫があること―にこだわり、取材対象を選ぶ。

  先月21日には地元の声を編集に生かすため、一般県民による公開編集会議を盛岡市内で開催。約50人が参加し観光、レストラン、カフェ、ショップ、宿泊、人物の六つのグループに分かれて意見を出し合った。

  編集長の神藤秀人さん(37)は先月から県内各地を巡り、岩手の「個性」発掘に挑んでいる。漆器や鉄器など魅力的なプロダクトに出合う一方、これらの器に料理が実際に盛り付けられ、提供される場面が少ないという印象もあるという。

  「それが悪いということではなく、普段使いはリーズナブルなもので、こだわりのある場面では本物の器でと、使い分けがされているのだと思う。旅に出掛ける人も『本物』があることを知っているのと知らないのとでは、旅の奥行きが違うはず」と語る。

  岩手を語る上で大震災も避けて通れないテーマ。「たとえ大津波に遭おうとも海辺で暮らす人々は、また同じまちで前向きに生きている。そうした岩手の人たちの頑張りを説教じみずに、最終的に元気が出る、楽しく読めるものとして紹介したい」と意欲を燃やす。

  取り上げた場所や人とは、発刊後も継続的に交流を持つことも編集方針の一つ。各地のキーマンが県境を越えて交流し、新しいものを生み出す橋渡し役となることを目指す。

  ディ・デザイン・トラベルはB5判変型、192ページ、オールカラー、日英併記、本体1900円(税別)。岩手版は11月にも全国の書店に並ぶ予定。


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