盛岡タイムス Web News   2018年   9月  17日 (月)

       

■ 新ブランドはFARI100 うちむら家具の挑戦 LINE@や売り場改装で相乗効果 100年企業目指す


 

     
   空間に彩りを添える観葉植物やインテリア雑貨について意見を交わす内村社長(左から2人目)と盛岡店のスタッフ  
   空間に彩りを添える観葉植物やインテリア雑貨について意見を交わす内村社長(左から2人目)と盛岡店のスタッフ
 

 矢巾町広宮沢の家具専門店うちむら家具(内村健太朗社長)は、インテリアのイメージを丸ごと提案する売り場作りやLINE@(ラインアット)を活用した集客など消費者ニーズを意識した多彩な取り組みで成果を上げている。社名を残しつつ店名を「FARI100(ファーリーワン)」に変えて、新ブランドとして発信する計画も進む。物量と低価格で全国を席巻する大手チェーン店やネット通販とは一線を画す「有機質な店」を作り上げたいと意気込む。

  ■売り場を手作りリメーク
  うちむら家具盛岡店本館は、この春から社員のアイデアと手作業で改装が進む。協力して床を張り替えたり、壁を塗ったり。照明にもこだわる。ドライフラワーが揺れるナチュラルテイストの空間、ヴィンテージ家具やアイアン家具が似合うインダストリアルスタイルなどテーマ性のある売り場を演出。暮らしのイメージに合った家具選びを提案する。

  作業は現在も進行中で、本館の約500坪の売り場をリメークする計画。盛岡店の岩澤久男店長(45)は「照明の効果で時間によっても売り場の雰囲気が変わる。わざわざ来てみたくなるような温かみのある空間を発信していきたい」と意欲を語った。

  売り場の改革に合わせて知恵を絞っているのが情報発信。各種イベントをはじめ、手作りチラシのポスティング、ダイレクトメール、新聞、テレビ、ラジオ、SNSと目的に応じたツールを組み合わせて認知度の向上を目指す。

  友達登録した顧客に、イベントや割り引きサービスなどの情報を直接、配信するLINE@は3月に開始。出だしは160件程度の登録にとどまっていたが、今夏、「ベッドフェア」の来店者に呼び掛け、10日間で登録者を530人余りに伸ばした。
  広報担当の山田保営業企画課長(52)は「インスタ映えする店舗写真も売り場の改革があってこそ。紙や映像媒体、SNSだけでも不十分で、フェイス・ツー・フェイスによる声掛けなど人の力が掛け合わさってこそ効果が期待できる」と戦略を練る。「手前みその情報発信ではなく、第三者の信頼できる評価が企業イメージを作る」と話す。

  ■震災翌年の社長就任
  同社は1983年創業。内村社長(38)は2012年4月、当初の予定より1年遅れて父親である現会長から経営を託された。11年3月、東日本大震災が発生。津波で宮古店の1階部分が壊滅するなど、同社も各店舗で大きな被害が出た。

  「目の前に困っている人がいる。まず、その人たちの要望をかなえなければならないだろう」。混乱の中、当時社長だった会長に叱咤(しった)激励され、はっとしたという。

  会長の素早い決断で、発災から3週間後には宮古店の最寄り駅前の商業施設内に仮設店舗がオープン。社員は被災者が必要とする洋服を何トンもトラックに積んで通った。

  「お客さまの声に耳を傾ける重要性に改めて気付かされた。家具屋だから家具しか売れないというのは自ら作っていた壁にすぎない。現状に満足せず、次へ向かって歩み続けていくことを学んだ」と振り返る。客や地域が店に望んでいるものは何か。翌年の社長就任から6年余り、「自分たちが必要とされる本質」を模索し続けている。

  ■新店舗名「FARI100」
  じわじわと浸透させ、19年秋には大々的に発表したいという新店名「FARI100(ファーリーワン)」は、「100年集える家族」をコンセプトに、イタリア語で家族を意味する「Famiglia(ファミリア)」と、集うを意味する「Riunire(リウニーレ)」を組み合わせて作った。

  「良質な家具は、次に買い替えるのが数十年先になるかもしれない。お客さまに生涯通っていただける店、3世代で来ていただける店、100年企業を目指す」と内村社長。「ボタン一つの買い物では決して体験できない楽しさを五感で感じ取ってもらいたい。うちむら家具ならではの価値を提供できれば」と先を見据えた。

 同店への問い合わせは電話0196975645へ。


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