盛岡タイムス Web News   2018年   9月  22日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 馬場恵 同世代が語る震災、復興


 
 盛岡市の城西中と宮古市の田老第一中の2年生同士の交流会が先頃、城西中の体育館で開かれた。東日本大震災の発災当時、県の小中学校長会が呼び掛け、内陸の学校が沿岸の姉妹校を支援した横軸連携の流れをくむ復興教育の一環。同じ県内でも環境が異なる地域で今を生きる生徒たちの交流は、爽やかで胸にじんと迫るものがあった。

  城西中は力を入れている合唱で歓迎。ハイレベルな美しいハーモニー、てきぱきとした司会進行、生徒編集の画像を交えた楽しい学校紹介からは生き生きとした毎日が伝わってくる。一方、田老第一中は「万里の長城」と言われた巨大防浪堤をやすやすと超えた大津波の被害や復興へ向かうまちの姿を一人ひとりが語り部となって発表。生き抜く意思を持つことの大切さや当たり前の日々がいかに幸せであるかを熱く訴えた。

  田老地区は地域全体が大きな被害に遭い、つい最近まで仮設住宅で暮らしていた生徒も少なくない。家の漁業を手伝ってから登校する生徒もいるという。復興を支える同学年の生徒たちの声に、城西中の生徒たちも心動かされたようだ。

  その後の小グループに分かれての交流では、生徒たちが輪になり、部活動の様子や将来の夢などを自由に語り合った。田老第一中の生徒の一人が「将来は復興に関わる仕事がしたい」と話すと、同じグループの生徒たちから自然に拍手が起こった。

  震災後、二戸市の幼稚園児が歌う「空より高く」がラジオから流れ、多くの人が勇気づけられたエピソードは記憶に新しい。中学2年生は、あの園児たちとちょうど同じ学年だ。小さな園児たちが「僕たちは何もできないけれど、歌は歌える」と持てる力を発揮したように、中学生になった彼らができることを考え、果たすべき役割を立派に担っていることを頼もしく思う。

  同じ世代が語る言葉、行動ほど胸に響くものはない。震災から7年余りがたち、小中の横軸連携交流も減っているというが、この財産をぜひ、生かしてほしい。

 


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