盛岡タイムス Web News   2018年   10月  16日 (火)

       

■  八幡平市のジェ・スク瀬川社長 バイカーボネイド(高濃度炭酸水素イオン泉製造装置)受賞 東北地方発明表彰で中小企業長官賞 糖尿病や人工透析に効果


     
  高濃度炭酸水素イオン泉製造装置を紹介する瀬川社長  
  高濃度炭酸水素イオン泉製造装置を紹介する瀬川社長
 

 八幡平市平笠の機械器具製造業、ジェ・スクの瀬川純市郎社長(34)が開発した「高濃度炭酸水素イオン泉製造装置」(商品名バイカーボネイト)が15日、公益社団法人発明協会主催の2018年度東北地方発明表彰で「中小企業長官賞」を受賞した。糖尿病、人工透析患者の血流障害の治癒に効果が高い、高濃度炭酸泉を瞬時に作りだす装置。導入数は東北地区ではトップ、医療機関の炭酸泉装置の6割を、同社製品が占める。中国、米国、インドネシアなど海外に販売を広げ、世界的な製品にする考え。

  同表彰は1921(大正10)年に開始。実施効果が高く、地域産業向上に寄与している優秀な発明を生み出した技術者、研究開発者を顕彰している。

  炭酸泉は血行促進の効果があると医学的に証明され、医療・介護施設を中心に温泉、一般家庭、美容室などへの導入が進んでいる。

  同装置(1台約30万円)は12年に発売。15年3月に特許を取得した。通常の炭酸泉製造装置は、水に炭酸(CO2)を溶かすのに30分ほどかかるが、同社の製品は一瞬で溶解する。炭酸含有率も高く、他社製品は37度の湯1gに1c(1千ppm)だが、同社の装置だと物理学的に限界の1・3c(1300ppm)まで入る。高い濃度ほど肌に炭酸が浸透し、血管を拡張させるため、同社製品がシェアを伸ばしている。

  製品の開発は、瀬川社長が27歳だった11年に開始。ドイツで医療に利用されている炭酸泉を高齢化が進む日本で普及させようと、勤めていたボイラーや電気温水器のシステム開発会社を辞め、元上司と開発に乗り出した。装置の基本形が出来上がってきたころ、元上司が病死。開発の意志を継ぎ、商品化を目指して12年に個人事業主として盛岡市に開業した。14年8月に同社を設立し、17年4月に生産工場と事務所を八幡平市に構えた。

  「1_のずれで結果が変わる繊細な構造を確立させるのに苦労した。貯金を切り崩しながら、結果が見えない開発に取り組むことも根気を要したが、必ず社会に役立つ製品になると信じてやり抜いた」と瀬川社長は振り返る。

  口コミや紹介で販売数を伸ばし、いまでは全国に約20代理店を持ち、年間約2400台を販売している。特許申請、専門家派遣について県から支援を受け、今回の表彰も県の勧めで応募した。盛岡信用金庫からは創業時から運転資金などの融資、ビジネスマッチング出展などの支援を受けていたという。医療分野での実績を持って一般家庭にも普及させる考えで、来夏に小型で低価格の炭酸泉装置を発売する予定。

  「売上目標は2年後が20億円、5年後が50億円。5年後には株式上場の準備を始めたい」と力強く語った。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします