盛岡タイムス Web News   2019年    1月   8日 (火)

       

■  明るい一年期待 盛岡商議所新年交賀会 経営者ら地域経済を展望


     
  地域経済の発展を願い乾杯する新年交賀会の参加者  
  地域経済の発展を願い乾杯する新年交賀会の参加者
 

 盛岡商工会議所(谷村邦久会頭)の新年交賀会は7日、盛岡市愛宕下の盛岡グランドホテルで開かれた。盛岡市内の事業者や政界関係者ら約630人が参集。地元事業者らは、ラグビー・ワールドカップ(W杯)釜石や、三陸を舞台とする「三陸防災復興プロジェクト2019」などを追い風に、生産性向上や働き方改革を推し進め、持続可能な地域経済、市政の発展につなげる考えだ。

  岩手銀行の田口幸雄頭取は、2019年の県内経済の動向について「年末年始の日経平均株価の下落と円高、復興需要のピークアウトといった不安定要素もあるが、今年も昨年に続いて緩やかな景気回復をたどるだろう」と明るい展望を示し、「ラグビーW杯釜石開催、東芝メモリ北上工場の新設、自動車関連産業の集積の加速、復興道路の順調な整備などの効果が、今年から現れ始める年。将来に向けて新たな投資をする意欲の高い人材も増えている」と語った。

  盛岡信用金庫の藤澤透常務は「昨年末の日経平均株価や為替の下落から、県内経済の先行きは不透明とみている」と予測し、「人口減少やマイナス金利政策などで収益確保は厳しい状況だが、創業から116年続けてきた地域との『共存同栄』を貫き、今年は地元事業者の事業継承、販路拡大などの支援に注力する。全国の信金と連携した団体旅行招致やビジネスマッチングの開催などから、元気で笑顔が広がる地域づくりを進める」と述べた。

  菱和建設の海野尚社長(県建設業協会盛岡支部副支部長)は「待ちの姿勢を転換する年。復興需要による昨年までの高業績を維持するため、人口の多い宮城県などに営業エリアを広げる」と目標を示し、建設業の働き方改革について「発注者の県や国と共に具体的な策を練る必要がある。時代に即した入札方法を取り入れるなど、効率化を進めることが人手不足解消にもつながる」とした。

  岩手大の岩渕明学長は「昨年7月に開設した次世代アグリイノベーション研究センターのように、企業と共同で地域に新しい産業モデルを提示する動きを、全学部の総合的な力で進めていきたい。それらを外部資金の調達につなげ、大学の設備費や研究費を生み出す。そして学生への教育水準を維持し、地域にイノベーション(技術革新)を起こし続け、国際連合が掲げる目標『SDGs』を狙っていきたい」と展望した。

  盛岡ターミナルビルの佐藤年男社長は改元やラグビーW杯開催、JR山田線宮古│釜石間の三陸鉄道移管による一元化など、多くの社会的なイベントを控え「変化に挑戦する年でありたい」と抱負。個人消費が足踏み状態の中での消費税引き上げに懸念もあるが「盛岡の玄関口の商業ビルとして地元の良いものを発信し、交流人口の増加に貢献したい」と意気込んだ。

  盛岡ガスの熊谷祐三会長は「改元で何か新しいことをやってやろうという気持ちになるのでは」と社会全体の勢いに期待する。一方で、電気やガスの小売り自由化の流れに「過当競争が強まり保安の面などでひずみが出ないか」と懸念。「民間事業者だが扱っているものの公共性が高い。お客さま重視の経営をしっかりしていかなければ」と話した。

  鹿島建設東北支店盛岡営業所の佐藤仁志所長は「沿岸の復興事業の確実な推進を図っていく。昨年は免震オイルダンパーの検査データ改ざん問題なども大きく報道された。品質という点でも信頼を取り戻す年に」と気を引き締める。「岩山の鹿島精一記念展望台の改修工事が無事終了した。引き続き地域貢献にも力を入れていきたい」とした。

  盛岡友愛病院の小暮信人理事長は岩手医大附属病院の矢巾町移転に関し「中心市街地の空洞化を心配する声もるが、あれだけ充実したものができる。移転が地域にとってプラスになるよう病院間や医療・介護の連携を進めていきたい」。看護師らの人手不足も「しっかりフォローしていく必要がある」とし、外国人労働者の受け入れは「きちんとした体制を整えた上でなければ」と指摘した。


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