2015年 6月の天窓


 2015年  6月 30日 ― 農作物にも程良降雨を願い ―
 6月も終わろうとしていた27日になって、例年よりも13日遅れ、昨年よりも21日遅れで、気象庁が東北北部が梅雨入りしたとみられると発表した。16日には紫波町などで異常な豪雨やひょうが降ったりしたので、もしかしたら天候不順や冷夏で稲の作柄に影響を及ぼすのではないかと心配していたが、高温の日が続いたので水稲の伸びも順調にいっているようだ。
▼確か20年前の冷夏と台風に見舞われて作況が著しく落ち込んで、タイなど外国産米などの輸入をしたことがあった。その年は「平成の米騒動」と言われた。
▼タイ米は長粒種のインディカ米と言われるものだが、日本人の口にはどうしても合わない。世界の米産地ではむしろこちらが主流になっているとかだが、日本ではコシヒカリなどがブランドになっている。外国人から見れば、水気が多くて軟らかすぎるご飯は口に合わないといった意見が聞かれる。近年は和食ブームになってきて、ピカピカ光るご飯、すしなどが世界の国々の人たちから好まれているようだ。
▼子どもの頃には、稲妻が稲の花を咲かせてくれると大人たちから教わった。入道雲と雷のきらめき、そしていきなり降りかかる大粒の雨によく見舞われた経験がある。適度な雨は農作物には欠かせないが、ゲリラ豪雨などはご免こうむりたい。

 2015年  6月 29日 ― 自民懇話会で報道抑圧発言 ―
 自民党には若手議員らによる「文化芸術懇話会」という勉強会がある
▼25日開催の会では安倍総理と親しい作家の百田尚樹氏が安保関連法案について講演。質疑も交わされたがその中で、いつか来た道へ誘い込むような怖い言葉が飛び出した。百田氏は日本の報道機関を批判。「日本をおとしめる目的を持って書いているとしか思えない記事が多い」と
▼ある議員が基地問題などに関する沖縄県内の二つの地元紙の報道姿勢を指摘すると、百田氏は「沖縄の新聞社はつぶさなあかん」と言い切る。ほかの議員からはマスコミを懲らしめるには広告収入を断つことが一番だ。百田氏らからも経団連に働き掛けてもらいたいとの提案も出た
▼「新聞をつぶす」「マスコミを懲らしめる」という言葉が権力側から出ると、戦前の弾圧の数々が嫌でもよみがえる。不買運動などで職を追われつつも、反権力の筆を折らなかった元信濃毎日主筆・桐生悠々(1941年68歳没)の生涯にも教えられる
▼大戦予兆下の33年8月の「関東防空大演習を嗤(わら)う」と題した社説も真向から軍を批判。大半が木造家屋で敵機来襲ならたちまちに火の海。民を救えぬ愚策と嗤いつつ桐生氏は涙していただろう
▼憲法改定の正門を閉じ、集団自衛の一穴を掘るような安倍流手法を氏ならどう評するだろう。

 2015年  6月 28日 ― 太平洋に友好のボール ―
 今年は戦後70年。岩手の占領期をテーマに連載「不来方の星条旗」をスタートした。読者の皆さんに進駐軍について記憶があれば教えてください。
▼初回はその前段として昭和20年3月のB29の盛岡空襲を取材した。のち原爆を投下した機体は、米国シアトルのボーイング社が開発した。
▼北米西海岸の地図を見るとシアトル、カナダのバンクーバー、ビクトリアは、国境をまたいで都市圏にある。しかし日米の暗雲を憂いながらビクトリアで客死した新渡戸稲造は、シアトル生まれの魔鳥に、「懸け橋」は託さなかったろう。
▼B29は東京大空襲と同じ夜、盛岡に1機で飛来したことから、残りの爆弾を捨てていったとの見方があるが、岩手の戦災史を研究する花巻市の加藤昭雄さんは疑問を唱える。東京と盛岡往復1千`の航続距離の延伸は、米国の爆撃機でも決して容易でなかった。何か特別な狙いがあったのか。B29の乗組員の手記を読むと、消耗してなお日本の戦闘機は手ごわく、本土上空の気象は激変し、彼らも命懸けの出撃だった。勝敗にかかわらず戦争はむごい。
▼今年はビクトリアと盛岡の姉妹都市30周年にあたり、バンクーバーの女子サッカーW杯では滝沢出身の岩清水選手らが活躍している。二度と太平洋に敵意の弾を飛ばさず、友好の玉を磨こう。

 2015年  6月 27日 ― 東京で単純ミス教科書回収へ ―
 今春入学した《ピッカピカの1年生》は、通学にも慣れ教科書にも親しんでいるだろうか
▼日本では昭和38年度入学の1年生から、義務教育教科書無償が始まりそれは今も続いている。窮乏を強いられ子だくさんが目立った戦中戦後は有料だったから、保護者は苦労されたことだろう。ただ現在に至るまで多くは教科書に信頼を寄せている
▼執筆者も厳選され記載内容も厳しい基準に照らしてチェックされ、検定合格で採用されるのだから信頼するのは自然だろう。ところがその信頼感を裏切るような手抜きの見本のような教科書が今春から、東京・世田谷などの学校で約1万冊も用いられていたことが判明し回収騒ぎが起きている
▼問題化したのは今年度の小学1年生用国語教科書上巻5n目の挿絵だ。そこにはカラー印刷で1人の女児が花輪を両手で持つ姿が登場する
▼だが右側にもう1本の腕があるように見えるのだ。挿絵画家が幾例かを下書きし、消し忘れたという単純ミスだったことも分かる
▼出版社は三省堂でゲラ刷りと草稿との違いも、草稿そのものの誤字も不自然さも発見し、印刷前に厳密に確認する「校正担当」部門があるはずだ。だがその関門に怠惰があった。3本の腕の異様さに誰も気付かなかった
▼業界への訓戒でもあろう。小1児童の反応も気になる。

 2015年  6月 26日 ― 平泉世界遺産の宿題 ―
 釜石市の橋野高炉跡を含む国内8県23資産から成る「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」も審査されるユネスコ世界遺産委員会が28日、ドイツ・ボンで始まる。委員会審査に影響力大の諮問機関イコモスが5月に「登録」を勧告しており、登録は確実とみられる
▼本県としては橋野高炉跡が2件目となるが、最初の平泉の登録までのやきもきを思い起こす。平泉は01年暫定リストに掲載され06年に推薦書を提出も、08年のイコモス勧告は「登録延期」、委員会も同じ決議に至った。時差のため、徹夜で県庁に詰めて現地からの情報を待った体には疲労が重くのしかかった
▼それでも再挑戦し、東日本大震災後の11年6月に「登録」決議となり、被災で「非常事態」真っただ中の県民を勇気づけた
▼平泉の登録までには当初の構成資産から骨寺村荘園遺跡など4件を除外し、さらに1件を外した5資産で「登録」をつかんだ。その曲折を振り返り、今回の産業革命遺産を並べると、地域が広範囲に及ぶこと以上に、松下村塾や萩城下町といった資産には産業革命との異質さを覚える
▼が、ならばと前向きに、宿題となった平泉での追加登録の可能性が高まったと捉えよう。6月29日は県が条例で定めた平泉世界遺産の日。宿題提出の意識を高める日ともしたい。

 2015年  6月 25日 ― セ・パ交流戦で菊池、畠山活躍 ―
 プロ野球ではシーズン中にセ・リーグとパ・リーグの交流試合を組み込む
▼今季は5月26日から6月14日まで全108試合を実施した。この交流試合は日本生命保険会社が特別協賛社になっている。働いてお金をもらうのがプロの世界だから当然なのだろうが、1位から6位までの各球団には金額に差を設けて日本生命から賞金が贈られる
▼そのほか最高勝率球団には2位球団並みの賞金が贈呈される。さらにセ・パ両リーグから1人ずつ最優秀選手を選び、日本生命賞(賞金百万円)が贈られる。特筆したいのは今回受賞したのがセ・パいずれも岩手出身者だったことだ
▼セ・リーグ受賞者は交流期間中に個人最多の9本の本塁打を放ち、20打点を記録したヤクルトの畠山和洋内野手(32)だ。専大北上高出身で長打力でチームを引っ張る。12年夏に岩手県営球場で開催したオールスター戦では全セ4番で出場。本塁打を飛ばしている
▼一方パ・リーグ優秀選手に輝いたのは西武の菊池雄星投手(24)だ。盛岡生まれでかつて甲子園を沸かした花巻東高出身の左腕である。今回は3勝無敗。防御率1・71、肩痛などに苦しみ長く立ち位置が定まらなかったが、これを機に一皮むけるだろう。21日の対オリックス戦でも7回無失点で4連勝を飾った。本来の威力発揮に期待しよう。

 2015年  6月 24日 ― 想像するにも首相の説明不足 ―
 想像してごらん─とジョン・レノンは曲「イマジン」で問いかける。足がかりとなる歌詞が続き、こんな状況だよと指し示す
▼安全保障関連法案について、安倍内閣の説明は真剣に考えようという国民が想像するには不足なようだ。イマジンよりも狭義な事態の想定でも、首相は想像の糸口をなかなか与えない
▼17日の党首討論では存立危機事態を問われ、政策的な中身をさらすからと具体ケースの言及を避け「いちいち全てを述べるような海外のリーダーはほとんどいない」と述べた。述べる少数に良いリーダーがいるかもしれないことはさておき、「1、2」ぐらい分かりやすくケースが示されれば、国民も想像しやすくなる
▼24日までだった今国会会期は95日間の延長が決まった。確実に法案を成立させるために日程計算されたともいわれている
▼だが、延長期間が国民にとって不毛のうち流れては困る。法案で想定されるケースが想像しやすくなる説明、違憲という見解や疑念に対する首相の正当性、合法性への完全な「確信」を国民の多くが理解できる説明に努めるべきだろう。審議を尽くしても理解が広がらなければ引っ込める選択も排除してはなるまい。理解が及ばないまま採決となれば、為政者は憲法をいかようにも解釈していくと想像する人が増えかねない。

 2015年  6月 23日 ― 沖縄戦終結の日に思う ―
 米軍基地を抱え苦悩する沖縄では、県知事選衆院選共に改善を求める民意を示したが政府の対応は冷たい
▼1945年3月から6月23日に至る期間は、沖縄が大戦末期の激戦地となり県民の4人に1人が命を落としている。6月中旬には日本は戦闘不能となり23日には司令官が自決。組織的戦争終結となる
▼改めて悲しい歴史をしのび諸精霊に哀悼の意を表したい。併せてこの国が不戦と絶対平和主義を貫き唯一の被爆国としても、首脳が核兵器廃絶を主導するよう期待したい。安倍総理は国家という「家」の戸締まりに熱心だ。良いことだが近隣には不審の目でなく慈眼を向けるといい
▼心配な国の首脳とは進んで面談。例えば核兵器論も話題にし日本は造る技術も能力もあるが造らない。それを使う時は互いに破滅する時だからだとごく常識的なことを、冗句のように語り続けるとドアはさらに開くのではないか
▼先の沖縄戦線では旧制中学の男女2千4百余人を動員。男子は鉄血勤皇隊で女子はひめゆり学徒隊などで出動。約1300人が亡くなっている。当時は子ども動員の法的根拠がなく「義勇兵役法」を公布したのは沖縄戦終結当日だった。よく「お国の人材」というが、使い捨て丸太のように命を散らした子らの無念を思う。せめて「人財」と言い替えてあげたい。

 2015年  6月 22日 ― 入梅とウメの実 ―
 スーパーの店頭に青い梅が並んでいる。県外産のものだが、今年の梅は粒がそろっている。果実酒づくりに励んでおられるご家庭もあろうか。梅の効用はすごいものがあって、一日一個が健康維持には欠かせないとも言われる。
▼入梅が過ぎてきょう22日は夏至。7月10日頃が県内では梅もぎの適期と思われるが、梅の種類によって日にちに差があるだろう。最近では買った方がお手軽と、梅酒も梅干しも仕込みをやらなくなっているところが多いのではないか。
▼梅干しだけは自家製のものでなければならないとして、毎年実家の方から梅を取り寄せて仕込みをしているが、赤しそを使ってきれいな色を出すのが難しくなった。宮古市川内など、道の駅に寄ったときには地場の梅漬けを手にとって見ることが多い。出来栄えはともかく、やはり幼い頃から食べ慣れている梅干しが一番であろう。
▼梅雨入りは九州の方から北上している。どうしたわけか岩手の上空にも「ダウンバースト」と言った聞き慣れない異常気象がこのところ発生している。昔は地震雷と天変地異の次に来た親父殿だが、第3日曜日、きのうは父の日だった。5月の母の日と同様に、慈父への感謝を捧げるべきであろう。夏越大祓(なごしのおおはらい)を済ませて、夏本番に立ち向かいたい。

 2015年  6月 21日 ― 新星「マララ」と共に ―
 空模様が不安定だが、たまに晴れ渡る夜空にきらめく星々を仰ぐことがある
▼それぞれの星の名を正確に口にする天文通の少年が近くにいるが、覚える気のないこちらは感心するばかりである。宇宙にはまだ発見されていない星もあるし、発見されても名前が付いていない星もあるんだよと、彼は得意げに言う
▼今春、そんな会話を楽しんだ直後に米航空宇宙局(NASA)がビッグニュースを発表。それが少年のいう名前のない星に関連する話題だったから、再び天文談義が続いた。NASAは2010年6月に火星と木星の間に存在する直径およそ4`の小惑星を発見していた
▼名前は未定だったが昨秋に世界最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタンの女子教育活動家・マララ・ユスフザイさんをこの星の名前に決めたというのだ。新惑星発見者の宇宙物理学者も「人類が直面する難問解決のため彼女の能力がどうしても必要」と強く推挙したという
▼「マララ」と命名された新星は5年半の周期で太陽を回るという。険悪な差別社会の中で女子教育進展に青春をささげたマララさん。武装勢力から頭部に銃撃を受け、奇跡的に助かった彼女の地上での闘いはこれからが正念場になる
▼その活躍を同じ名の新星「マララ」は、天空を巡りながら見守り続けることだろう。

 2015年  6月 20日 ― ダウンバーストの怖さ ―
 16日から17日にかけて、紫波町をはじめ、県内各地に1時間に54_から95・5_もの降水量の局地的な豪雨、最大瞬間風速30bの突風、激しい雨と降ひょうがあった。
▼鉄砲水による住宅や農地への被害、突風とひょうによるビニールハウス倒壊や、建造物の屋根の剥離などがあった。地域によっては、避難勧告が出され、落雷などで各地で停電が発生した。
▼2013年8月9日のゲリラ豪雨、9月16日の台風18号による豪雨とは違った過去に覚えのない異常なものであった。17日には盛岡地方気象台職員が、紫波町稲藤地内などへ被災住民の聴き取り調査に入り、要因調査の結果「ダウンバースト」の可能性が高いと判断した。ダウンバーストという言葉はこれまで聞いたことがなかった。さまざまな辞書をひもといても出てこなかったが、本紙には「積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れ」とした解説が載った。
▼県内では竜巻注意報が出され、頑丈な建物の中に避難してください、とテレビ画面に流れたが、とりあえずは「ガスなど火の気を止めて、窓を閉め、内鍵を掛ける」などの対策をした家庭が多いのではなかったか。できることをしたあとは天に祈るのみ。竜巻などに襲われては予防の手段すら分からない。

 2015年  6月 19日 ― 詐欺防止川柳作者の胸中 ―
 日本一短い手紙や学生百人一首、各種川柳など、この国では言葉遊びともいえるコンテストが盛んである
▼こうした「言葉で分かりやすく訴える」時流を背にし、新潟でも川柳方式による全国公募の新たな試みを始めている。イベントの名称は「ダマされま川柳コンテスト in新潟」で、狙いは全国が頭を痛める悪質詐欺の撃退であり被害の防止である
▼第一回公募は昨年11月26日から今年1月7日まで実施。新潟をはじめ全国から2888作品が寄せられたという。厳正な審査を経て「一般」「児童生徒」の2部門別に、最優秀賞や佳作などの受賞作品も発表された
▼素朴な疑問なのだがなぜ大金をだまし取られるのだろう。「一般」の部で最優秀賞を受けた大久保光子さん(新潟)もそこに思索を凝らしたのだろう。純朴で1_も疑わない愚かさが鮮明に浮かび、「我家では今年の漢字を『疑』に決める」と詠む。断固として家族に伝えたことだろう
▼佳作に選ばれた東京の河合和子さんの「うますぎる話に補聴器を外す」の句からも、確かな疑念と正確に聞き裁く聴力を会得した境地が伝わってくる
▼「児童生徒」の部で佳作に入った佐渡市の中学1年・中田泰誠君の「よく見よう!ネット販売気をつけて」の作品も、注意深さが校内全般にも行き渡っているようで心強い。

 2015年  6月 18日 ― 18歳選挙権が成立 ―
 「独りであること」、「未熟であること」─大学生だった高野悦子さんが自死する1969年に書き残したノート「二十歳の原点」中、成人の日の1月15日の記録は「これが私の二十歳の原点である」と続く
▼高野さんは49年1月2日栃木県生まれ、京都の私大に進学。書き始めの20歳の誕生日には、幼稚なままで「大人」にさせてしまった社会をうらむなあ、と記し「未熟であること、孤独であることの認識はまだまだ浅い」とあり、2週間で変化が見られる
▼60年代は政治の時代とされ、学生運動をはじめ若者の政治的活動も盛んだった。若者の政治意識は70年代後半以降より高かったと映る。20歳で未熟を自認したのは、大人の責任や自覚を強く意識せざる当時の空気からで、高野さんの世代以降の20歳より未熟だったとは思いにくい
▼17日の参院本会議で選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公選法改正案が可決、成立。来夏の参院選には投票が可能になる。法が未熟かどうかを問わないのは20歳以上のこれまでも同じ
▼政治、選挙離れの若者の関心を呼ぶ策も講じられていくだろうが、肝心なのは自分の意思で考え判断できる力を養うことではなかろうか。国民主権の要といえる投票に、投票権を持つ全年代が自分なりに考え抜いた判断で臨むことが重要であろう。

 2015年  6月 17日 ― 水戸黄門スペシャル版放映へ ―
 「人生楽ありゃ苦もあるさ 涙の後には虹もでる 歩いてゆくんだしっかりと 自分の道をふみしめて」…
▼テレビドラマ「水戸黄門」の主題歌の一節だ。中高年世代では時折、口ずさむ人もおられよう。わが家の近所ではドラマが続いていた当時から、小学生の孫息子に「いい歌だぞ」と教え込んだ老父がいて、孫もはまって中学生になった今でも鼻歌風に小声で歌っていることがある
▼「水戸黄門」はTBS系で2011年12月に閉幕するまで、42年間も続いた超人気の長寿番組だった。終わると聞いてがっくりしたファンは多く「続けてぇ!」と叫ぶような声が局には殺到したようである。一方、マンネリだなどの苦言にも耳を傾けたことだろう
▼その上でなお全国の多数のファンが同じく勧善懲悪の筋書きながらも、毎回多彩に趣向を凝らした展開に魅了され、それを懐かしみせめて圧縮版でもいいから見たいなと思いを募らせる。TBS側もそういうファンの心情を察知していたのだろう
▼早い段階から黄門一座お出まし企画を練っていたらしい。今夏に実現との速報もあったが、正式に今月29日(月)21時から「水戸黄門スペシャルドラマ」として放映が決まった。「人生勇気が必要だ くじけりゃ誰かが先に行く」と口ずさみながら久しぶりのご老公の尊顔を拝そう。

 2015年  6月 16日 ― 訪日外国人の地方波及 ―
 20年の東京オリンピックまであと5年となった。合わせて、日本政府観光局は、訪日外国人観光客数2千万人を目標にしている。観光立国・インバウンド政策を積極的に推し進める方針のようである。
▼14年の訪日外国人観光客数は、1341万4000人で、13年を約300万人上回って、1千万人突破の過去最高を記録した。
▼14年を国、地域別で見ると、台湾、韓国、中国、香港、米国、タイ、オーストラリアの順になっている。東南や南のアジアやヨーロッパ・南米などからの来日を呼び掛けるのがこれからの課題だろうか。訪日外国人旅行者の支出は1人当たり15万1174円と推計されていて、合計旅行消費額は2兆278億円となり、過去最高を記録した。大都市の百貨店や家電店で「爆買い」といった見慣れなかった風景が見られる。
▼訪日観光客増加の原因は、アジア地域の経済成長、円安進行による訪日観光の割安感、消費税免税制度、ビザの大幅緩和などが寄与しているものと推測される。外国人の訪れる観光地としては、京都、東京などが主であったが、地方にもその広がりが出てきている。
▼岩手では、平泉や小岩井などだが、盛岡の三大麺、岩手牛の食や、自然と温泉、水田や果樹園などの「そのまま」の景観で迎える対策も必要になってくる。

 2015年  6月 14日 ― 首都圏高齢者を地方へ移す案 ―
 08年に後期高齢者に関する法律が施行され、75歳以降は区分けする制度がスタートする
▼あの時の国をのろうように憤慨した叫びの数々が忘れられない。敗戦後の日本をここまで築き上げて来たのは俺たちじゃねえか。そりゃあ75すぎりゃ医者代も掛かる。そのくらいは国会議員の歳費を削ってでも見てくれたっていいじゃねえかと、老人会で涙声で訴えていた人もいる
▼全国的にはデモやパレードが各地で実施され、「後期高齢制度は 平成の姥(うば)捨て山だ」とむしろ旗を掲げるグループもあった。「次の選挙は許さんぞ!姥捨て山は総噴火だあ!覚悟せよ!」など激情アピールが目立っていた
▼「高齢医療費負担無料の時代が昔はあったのに、今は高くて風邪くらいは我慢してるのす」とため息をつくおばあさんもいた。ところである都内施設在住の老夫妻が「今は光輝幸齢を目指し夕日を眺め、ラストデーを迎えたいと思っていましたが無理みたいです」とさみしげに言う。首都圏の高齢動向をにらみ打開策を練っていた日本創成会議が、今後10年で首都圏の75歳以上は175万人も増えるとし、打開策として全国で受け入れを表明した75地方へ移行してもらうことも検討するとの案が浮上したのだ。晩年の激変だ。当事者が揺りかごに乗る気分で進むならいいが…。

 2015年  6月 13日 ― 復興事業の負担問題 ―
 東日本大震災の復興事業で、政府が16年度から地元負担を導入するとしていた岩手、宮城、福島3県の道路について、三陸縦貫自動車道については引き続き全額国負担の方針が示され、当初、復興支援道路として位置付けされている4路線については、地元負担を導入する考えであった。
▼与党議員や被災自治体などから全額国費継続とすべきだとする意見が続出した経緯から9日に入って国の負担にする方針に変わってきた模様である。
▼4路線というのは、復興支援道路に位置付けされる「横軸道路」なわけだが、岩手の「宮古・盛岡横断道路100`」、「釜石・花巻東北横断自動車道80`」、宮城県の「みやぎ県北高速幹線道路登米・仙台北24`」、福島県の「東北中央自動車道相馬・福島北45`」のことである。
▼4路線に地元負担が導入されるとその額は、1620年度の5年間で岩手県17億円、宮城県2億円、福島県10億円になる。4路線とも、東北自動車道と太平洋沿岸を結ぶ物流の軸となっている道路で、震災以降全額国費で工事が進められていたことから、16年度以降も国費で工事が継続されることになる。
▼6月中に政府案が正式決定される見込みとなっているので、国への訴えはここで緩めることなく、あとひと踏ん張りが必要ではないか。

 2015年  6月 12日 ― 私的「糖尿」改善体験 ―
 作家の宮本輝さんが2012年に集英社から刊行した「水のかたち」は、50代のヒロインが醸す善意の風情に包まれた日々がつづられていく
▼ヒロインが予期せぬ銘茶器を入手したりそれが高値で売れて周囲に施されたりと彼女自身がわが身を慎んでしまう場面もある。既に発売から年数が経過し多くのフアンはこの物語に思い入れもあろうし、種々な場面も浮かんでこよう
▼当方もテレビで解説を聞き即「水のかたち」を精読し特に登場人物が糖質ゼロの食事で糖尿改善に挑む姿を興味深く読んだ。ネットで確認したら名医が解説している。まず基本は糖尿をもたらすのがごはんやパン、うどん、そばの炭水化物類。主食類だがこれを一定期間摂取しないで改善させると
▼では何を食べるかだが名医も自ら実践者として、糖質ゼロぱんを開発提供している。信頼のおける話だと確認。当方も挑戦する。ありのままをご報告すると血糖値400という数値が病院で確認されたのが23年も前の1月。その日から1日4回のインスリン自己注射が始まる
▼「水のかたち」で啓発され糖質ゼロ食を始めたのが12年11月。「インスリンも卒業できますよ」と先の名医が言っていたがその通りになる。13年4月には主治医から正常値が続くのでと晴れてインスリン卒業を告げられたのである。

 2015年  6月 11日 ― 18歳に選挙権 ―
 選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案は、早ければ17日の参院本会議で成立する見通しとなっている。
▼改正法は月内に公布され、公布1年後に施行となるから、来年夏の参院選から適用される。国立国会図書館の調査によると、多くの国では成人年齢も18歳に統一されるのが主流になっているとか。日本は民法の成人年齢や少年法の適用年齢とくい違う形となる。
▼今後は、被選挙権年齢の引き下げも課題となってこようし、成人年齢などの引き下げに向けた議論がなされていくのではないか。人口減少社会の中、若い人が自立して社会的にも政治的にも活躍していけるといった可能性の広がりの流れと歓迎したい。
▼20歳未満では未熟だという指摘もあるが、各人の自覚が芽生えて、若年層の意見が政治に反映されやすくなっていくだろう。新たに選挙権を得る18│19歳の有権者は約240万人と見込まれている。
▼成人年齢の引き下げについては、政府・与党内で前向きな意見が大勢を占めているが、少年法の適用年齢の引き下げは若年者の更生を保護する観点などから賛否両論に分かれているようだ。被選挙権年齢の引き下げについては、現在の衆院選や地方議員選が25歳以上、参院選や都道府県知事選が30歳以上で、国際的にも高い。

 2015年  6月 10日 ― 魯迅尊敬する近所の女性整体師 ―
 肩凝りがひどく近くの人の勧めで夫妻経営の整体院に通っている
▼御主人は日本人で奥さんは上海近郊の生まれ。日本語も堪能でスポーツも万能。卓球では指導陣として休日には各地に出向く。整体の技術は元より柔道も心得があり、ある時などは小4女子が突然股関節脱臼になり、外科医院をたらい回しされていると聞き、すぐ呼び寄せた
▼「大丈夫よ。おばさんが治してあげるからね」と幼女を励まし柔術手法で即治療。当日を含め4日間の治療で通常生活に復帰した。話題が街中に伝わり「中国のおばさん」の評判は上々になる。ところで腕のいいこのおばさんが尊敬する人に、日本の仙台医専に学び医師を目指した魯迅先生がいる
▼晩年の居住地が彼女の郷里に近いこともある。仙台の恩師藤野先生との親交も共感を覚える。衝撃的だったのは戦争実写映画でロ軍スパイとなった中国人が日本兵に銃殺され、それを見る中国人が喝采した光景。魯迅は落胆。愚弱な民は医学で救う価値はないと決別し仙台を去る
▼精神改善を主題に「狂人日記」「阿Q正伝」などを書き中国近代文学の祖となる。魯迅はノーベル文学賞を辞退したが、先生らしいと整体おばさんは笑う。「ただ私は先生が捨てた痛みを抱える人たちを救うわ」と再び笑う。(魯迅は1936年に上海に眠る)

 2015年  6月 9日 ― なでしこと岩清水選手に声援を ―
 サッカー女子W杯が日本時間の7日、カナダで始まった。なでしこジャパンは東日本大震災直後の11年ドイツ大会で初優勝。陰うつな空気に覆われる日本に光明を差した
▼2年後のロンドン五輪では金メダルへの期待が高まったが、惜しくも決勝で米国に敗れ銀に終わった。女子の場合、まだW杯より五輪の方が格上の感が強く、現代日本人の気質なのか五輪後、なでしこジャパンや国内のなでしこリーグの話題も男子に比べ極端に少ない
▼メンバーには前大会から代表常連の滝沢市出身の岩清水梓選手が今回も選ばれた。彼女はセンターバックとしては小柄ながらクレバーさに加え経験の積み上げで危険を察知する能力を磨き、守備の中心として国際舞台では頼もしい存在。相手ゴール付近でのセットプレーではたびたび貴重な得点を決めており、今回も頂点へ進むプレーを期待している
▼彼女には毎年、同市から滝沢スイカが送られ、所属チームの仲間とおいしく食べたことをブログで報告、滝沢や特産品の知名度向上に一役買う。被災地に寄り添う思いも強く、応援したくなる
▼残念ながら、日本ではまだ盛り上がりに欠ける段階。9日の初戦でなでしこが輝けばサポーター以外の注目度も増すはず。今年の滝沢スイカに甘みが増すような活躍を願い岩手から応援しよう。

 2015年  6月 8日 ― 集団的自衛権と安倍総理の安保観 ―
 集団的自衛権をめぐる安倍総理の説明が分かりにくい。国会論議をメモし整理し直すことがよくある
▼だが次第に分かりにくいのは説明そのものでなく、より大きな一番言いたいテーマを伏せているからだなと気付く。それは総理のライフワークである憲法改定だろう。具体的には憲法9条をどう変えたいのか。改定案では自衛隊を国防軍にするというが、それは現行自衛隊とどこがどう変わるのか
▼うっかり「わが軍」と発言し反発を招いたが、つい口を滑らすほど構想を練っているのだろう。だが総理はそれら9条改定には明言を避けている。将来はこういう方向へ持っていきたいと明かせば、今議論している安保法制も輪郭が見えてくるのではないか
▼それにしても集団的自衛権をめぐる衆院憲法審査会で、自民党など与党が推薦した憲法学者・長谷部恭男早大法学学術院教授が、集団的自衛権の行使容認を「違憲」と断定したことには驚いた。与党推薦の情を断ち司法学者としての規範を貫いたのだろう
▼野党推薦の2人の学者も同じく「違憲」と断定している。長谷部教授は「個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」とも指摘する。法廷にもつれこむかもしれない。9条の大樹の前の小枝にも総理は手こずることだろう。

 2015年  6月 7日 ― 復興事業費の地方負担 ―
 国では3日、東日本大震災の集中復興期間が終わる2016年度以降、被災自治体にも復興事業費を負担させる考え方を正式に発表した。復興庁の案では、復興事業費の一部を1・0〜3・3%で被災自治体の負担を求める考えである。11〜15年度までの復興費は全額国の負担になっていたが、16年度から5年間は被災自治体に負担が生じる。
▼本県での負担額は20年度までの5年間で県が73億円、沿岸12市町村が約16億円で、計90億円程度と県が試算した。
▼復興庁は被災自治体との協議を経て6月中に正式決定をする考えであり、残された期間で負担軽減を訴える県、市町村と国との綱引きが繰り返されるのではないか。
▼復興事業をめぐっては、11〜15年度まで約26兆6千億円を確保し、後期の5年間で6兆円程度、合わせて10年間で32兆円を復興に投入することになると国でははじく。地元負担はわずか3%以下と懐柔しているが、被災地としては脆弱(ぜいじゃく)な財政の中で1%であっても多額な負担になる。
▼阪神淡路でも自治体に応分の負担を受け入れてもらっていると国は主張するが、三陸は地震と津波の二重の大災害であった。阪神と三陸の経済力は比較できるものではなく、少なくとも10年間、あと5年は国が全額負担し復興させるべきだろう。

 2015年  6月 6日 ― 庶民に受ける口語短歌 ―
 「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日は『サラダ記念日』」
▼この結びを題名にした俵万智さんの第一歌集「サラダ記念日」(河出書房新社・87年刊)は、恋も匂う日常を口語調で切り取り情感豊かにつづっている
▼「落ちてきた雨を見上げてそのままの形でふいに、唇が欲し」は若い人たちを熱くし、一方、北国では「『寒いね』と話しかければ『寒いね』と答える人のいるあたたかさ」を大書し壁に掲げた家もある。口ずさんでぬくもりをかみしめた人も多かろう
▼歌集としては異例の反響があり短歌界の革命とも評され280万部も売れている。会話調の平易さが大衆に受けたのだ。庶民の反応は詠者の男女を問わない。その思いもあるのか。13年4月から2年間、NHK短歌の選者を務めた今年43歳の歌人斉藤斎藤氏も型を破ることに挑んでいる
▼「題名をつけるとすれば無題だが名札をつければ渡辺のわたし」との省察詠もある(渡辺は亡き母の旧姓)。俵流似の「ぼくはただあなたになりたいだけなのにふたりならんで映画を見てる」と恋も歌う。突拍子もなく「シースルーエレベーターを借り切って心ゆくまで土下座がしたい」とも詠む
▼衝動がよく襲うらしい。万葉・古今の文語体に慣れた当方の硬い頭も、気鋭の31文字に触れ柔軟になりそうである。

 2015年  6月 5日 ― 責任者の責任の取り方 ―
 プロ野球オリックスの森脇監督がチームの成績不振で休養に入った。事実上の更迭であろう。編成の主導権を握っていたはずのフロントの責任を森脇監督1人に負わせたという見方には無理があるだろうか
▼4日付本紙の川柳に「責任を取らせてみたい責任者」の句が載っていた。矢継ぎ早に起きた責任者の最も重要な責任を考えさせられる出来事と重なる
▼逮捕者を出した国際サッカー連盟のブラッター会長が辞意を表明。騒動の責任を取ったかに見えるが、事件後の会長選直後の表明に、トップの責任とは違う理由を邪推してしまう
▼中国では1日、長江で456人が乗船の客船が転覆する惨事に、報道に取材制限や統制を敷いて、家族らへの情報提供も不十分で、関係機関は責任を果たしていないと映る。責任問題で政府批判へと及ばないための予防線との観測も上がる
▼日本年金機構は個人情報が流出した問題で、国民から責任問題を厳しく問われていくのは必至。ずさんな取り扱いに機構そのものの責任は大きい。保護に慎重を期すべき情報を扱っている責任感の欠如へ批判は免れ得ない。3日は理事長が国会に出席し答弁していたが、謝罪や説明だけでなく、役員の退陣を言明しなければ国民は納得しないのではないか
▼責任者の責任の取り方が問われている。

 2015年  6月 4日 ― 詐欺横行にも善意の民力は健全 ―
 今春4月には県南の60代女性が、息子を装う男に3700万円もだまし取られた。同様被害は年頭から相次いだが県警によると、先月20日にはだまそうとする電話が、把握できただけで24件も掛かっていたという
▼依然として犯行の根が切れていない。彼らは罪業意識など抱かないだろうがやがてつまずいた時に、因果応報が不変の鉄則だと気付くだろう。他人の財を奪って幸せが続くはずもない。盗みを犯した人はあの世で真っ赤に焼けた鉄板の上にねじ伏せられると仏典は言う
▼盗人がその後の人生で業火に焼かれるような苦しみを味わうことを示唆する言葉だ。圧倒的多数の性善派が性悪者を囲い目覚めさせていくのがいい。よく見れば列島中に善意の輪は広がっている。以下もその象徴だ
▼重い心臓病で昨年11月に渡米した7歳の小松愛子ちゃん(長野)は、コロンビア大学病院で移植手術が成功。1日に両親と共に帰国し「学校へ行きたい」など笑顔と感涙の受け答えは日本中を明るくした。渡米手術費用の2億1千万円は彼女を「救う会」が全国規模で募金し目標を突破
▼その一事にも民力の健全さが浮かぶ。今年2月と5月にも米国で中一少年が手術を成功させ養生しつつ帰国を目指しているが、この2人の渡米を実現させたのも多くの支援者の善意の浄財である。

 2015年  6月 3日 ― 北海道新幹線開業を前に ―
 いよいよ北海道新幹線開業まで10カ月あまりとなった。北海道新幹線のH5系車両が24日未明に北海道側から新青森駅に乗り入れた。来年3月の開業から運行するH5系車両が5月下旬乗り入れ、これで約150`全区間の新函館北斗まで、鹿児島中央から新幹線が日本列島を縦貫した。
▼昨年12月、北海道側から始まった試験走行の一環として5月24日、奥津軽いまべつ駅を午前1時20分出発し、線路状況や電気系統に異常がないかを確かめながら時速約45`以下で走行した。常盤グリーンの車体に彩香パープルの帯が入った車両がホームに滑り込み、鹿内博青森市長ら約30人が、「ようこそ青森へ」と書かれた横断幕を掲げて拍手で出迎えた。
▼鹿内市長は「北海道新幹線と東北新幹線が東北の青森で一つのレールでつながった歴史的な日だ」と、青函圏の新たな時代の幕開けに期待を込めたという。試験走行は7月末まで行われ、10―20`刻みに速度を上げ、年末には最高の時速260`で走る計画。
▼青函トンネルを含む約82`の共用区間で在来線とすれ違うことから、スピードと風圧の関係などについての調査がなされるのではないか。
▼待望の開通で、世界的にも知名度の高い北海道観光の時代が到来する。東北、本県への影響についてもしっかり考えねばならない。

 2015年  6月 2日 ― 日本は女性登用後進国 ―
 安倍政権は「すべての女性が輝く社会づくり」を目指す
▼官邸ホームページは「女性国家公務員の採用をより一層拡大するとともに、積極的な登用を推進しています」と具体策に着手していると胸を張っている。目に見えるレベルになるよう大いに推し進めてほしい
▼女性公務員拡大と併せ誰の目にも分かる国会議員の女性占有の度合いも、ぐんぐん押し上げていくといい。定数を男女折半にするようなことはせず、意識変革の反映として女性政治家が増えていくことが望ましいだろう
▼各国駐在の日本大使に女性を登用することも積極推進してはどうか。13年には米国の駐日大使にキャロライン・ケネディ女史が着任。華麗なデビューなどと話題になったのはご存知の通りだ。その前年には南アフリカ共和国の駐日特命全権大使としてモハウ・ペコ女史が赴任している
▼講演なども相次ぎ引き受け足取りも軽く南アPRに動いている。「南アでは国会議員の41・5%が女性なんです」と笑顔で語ったこともある。白人による人種隔離政策の差別思想を、マンデラ元大統領の獄中闘争を核にして打破した南ア社会は、自然に男尊女卑の性差別も克服したのだろう
▼日本は南アに遠く及ばず女性登用後進国だ。それは社会に潜む性差別の反映であろう。策より意識改革が急務である。

 2015年  6月 1日 ― 敗戦国の疎外感 ―
 安全保障関連法案が国会に提出され、5月26日から審議されている。安保関連法案とは、自衛隊法や周辺事態法など10法案の改正を一括した「平和安全法制整備法」と他国軍の後方支援を随時可能とする「国際平和支援法」の2本で構成されている。
▼1945年、第二次世界大戦で日本はポツダム宣言を受諾した。軍国主義の除去、軍事占領主義、再軍備禁止などの降伏条件を受け入れた。日本国憲法は終戦の翌年11月3日に公布されたが、米軍統治下で制定された憲法であった。
▼今年で戦後70年を迎えるが、日本国憲法は「平和憲法」として定着し、多くの国民から支持されている。しかし、今なお米国からの要請に対応せざるを得ないことに政治家をはじめ歯がゆい思いを抱いている人は少なくないのであろう。
▼「敗戦国に終止符を打ちたい」「どこの国からも干渉されない主権国家の道を歩みたい」といった意識を持つ人が多いのではなかろうか。
▼先の大戦で同じ敗戦国でありながら、ドイツは国際政治の舞台を諸外国と対等に歩んでいるように見受けられる。それに対して日本は一途に米国頼みとする姿勢が続いているが、今度の法律の改正によって国際支援を尽くすことで敗戦国といった疎外感から抜け出すことができるのだろうか。戦後70年の大きな転換点である。 

2015年 5月の天窓へ