2024年
4月15日(月)

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思い出の場所からのメッセージ 旧バスセンターに宿るドラマ 「劇団モリオカ市民」が届ける

2024-03-04

旧バスセンターのにぎわいを表現して盛り上げたオープニング

 第9回盛岡劇場「劇団モリオカ市民」公演「MORIOKA CHRONICLEⅡ 盛岡バスセンターものがたり」(盛岡市文化振興事業団主催、遠藤雅史実行委員長)が2、3の両日、盛岡市松尾町の盛岡劇場で開かれた。一般公募された役者たちが、1960年に開業し2016年に閉鎖されるまで市民に親しまれた旧盛岡バスセンターを舞台にした、笑いあり、涙ありの人間ドラマを届けた。

 舞台美術で、店舗が並ぶ旧バスセンター内を再現。登下校で利用する小学生、センター内で働く人、夢を追って上京する恋人を見送る女性、バスセンターでなぜかよく入れ歯をなくす老人、その入れ歯を探す孫│。個性豊かな登場人物が、人々の温かな触れ合いが生む物語を紡いだ。


コミカルなエピソードも本気で演じて笑いを誘う

 老朽化のため閉鎖され、取り壊される思い出の場所。やり切れない思いもある中で人々の記憶が交錯し、「形が変わっても、その場所が持つ温かさは変わらない」とのメッセージを伝えた。

 友人の出演をきっかけに来場した盛岡市内の女子高校生(18)は「全部面白かった。演劇を見ることが普段ないので新鮮。友達は超かっこ良かった」と満喫していた。

 熊谷勝さん(48)=花巻市石鳥谷町=は「俳句友達が出るというので見に来た。あまり演劇を見たことがなかったけど、すごく良かった」とほほ笑む。伊藤恵美さん(61)=盛岡市青山=は「私が子どもの頃、バスセンターの2階に中華料理屋があって、そこに食べに行くのは特別なことだった」と記憶をたどり、「前のバスセンターを知っている人には訴えるものがあったと思う。母も連れて来て見せたかった」と振り返った。


人々の思い出の重なりを感じさせた、旧バスセンター解体直前の場面

 初めて出演した山内萌々子さん(16)は「まだやっていたい気持ちもあるけど、後悔なく全部さらけ出すことができた。旧バスセンターの今とは違う栄え方、人によって違う思い出があることなど、歴史を知ることができて良かった」と笑顔。

 2回目の出演という森敬司さん(73)は「2階の奥まで届くよう、声を大きく出すことを心掛けた。バスセンターとのお別れの感情をどう込めるかは考えた。脚本の掛け合いが良く、それをみんなで演じきれて満足感でいっぱい」と実感を込めた。



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