2024年
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集会で地域とともに防災考える 日詰小の創立150周年記念事業 自分の命守る行動も

2024-03-11

震度6の地震に遭ったときの身を守る方法について話し合う日詰小の児童

 紫波町立日詰小(森和佳子校長、児童385人)で7日、創立150周年記念「地域と考える復興集会」が開かれた。13年前の東日本大震災を経験していない児童が、釜石市の小中学生の避難行動や防災意識に学び、自分の命を守る行動について地域の人たちと考えた。今後、学校と地域が協力して防災教育や活動に取り組む一歩とした。

 同集会は、児童と地域の人たちがともに学ぶことで地域の防災意識を高めようと、同小創立150周年記念事業(冨岡靖博実行委員長)の一環で実施。4~6年生193人と地域の人たち約20人が参加した。

 講師は、県立図書館長、岩手大地域防災研究センター客員教授の森本晋也さん(56)。「震災を生き抜いた子どもたちに学ぶ日頃の備え」と題して講演した。釜石東中教諭で防災教育を担当し、震災後に釜石市教育委員会の被災地支援に当たった経験から、「防災は災害が起きる前の訓練や備えが大事」「自分一人でも身を守る、逃げる、命を守る行動を」と呼び掛けた。

 紫波町のハザードマップを取り上げて、大雨時に水没の危険があるアンダーパス(掘り下げ式になっている下の道路)の存在を示したり、道路沿いに商店や住宅が並ぶ街の写真を見せて、「ここで地震が起きたらどのような危険があるか」とも問いかけた。

 児童は数人のグループで話し合い、「自動販売機が倒れるかも」「窓ガラスが割れたら危ない」と発言。自分の身を守るためにどうすれば良いか。「身を低くして、ランドセルなどで頭を守る」など意見を出し合った。

 森本さんは、東日本大震災発災時の釜石市の小学生の行動も紹介した。小学4年生の男児がなかなか逃げようとしない祖父母を説得して高台に避難したことや、自宅に一人でいた小学3年生の男児は日頃から家族で打ち合わせ、揺れが収まってから一人で高台へ避難を始めたことなどを解説。母親も職場から避難して無事だった。「災害時は一人で判断しなければならないこともある」と、日頃から家族で話し合うなど備えの大切さを説いた。

 釜石東中の生徒は発災時、放課後で部活動の準備などをしていた。ハザードマップでは津波の到達エリアの外にいた生徒も、日頃の防災教育で「想定で安心してはいけない」とさらに高台に避難したことなども紹介。避難所での生活にも触れ、「中学生が地域の人たちと顔見知りになっていたことが、避難のしやすさにつながった」。

 児童生徒が学校の外に出て活動することや日常生活での地域とのつながりの大切さを強調した。

 6年の阿部龍雅さんは「震災当時の話を聞いてその怖さが伝わってきて、災害時の持ち出し袋を確認するなど備えをしっかりしようと思った」、4年の坪谷奏笑(かなえ)さんは「揺れが激しいときは頭を守るなど、自分の命を守る具体的な方法を教わった」とうなずいた。

 地域の日詰商店街(日詰商店会)役員で会社役員の大野恭裕さん(47)は「日詰も大雨による浸水地域になっているが、これまで防災がメインの行事にはあまり取り組んでこなかった。防災に対する子どもたちの熱心さも伝わってきたので、学校と一緒にできることを考えていきたい」と気を引き締める。

 森校長(59)は「内陸に住む子どもたちも、いつどこで災害に遭うか分からない。地域ぐるみで災害に備え、いざというときに対応するための学習会を企画するなど、次への取り組みの一歩にしたい」と話していた。



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