県大規模事業評価専門委員会(専門委員長・首藤伸夫日大大学院総合科学研究科教授)が18日、盛岡市内のホテルで開かれ、継続審議となっていた県営簗川ダム建設事業と簗川道路改築事業について審議した。ダム建設、道路改築ともに事業の継続を妥当とする判断を示したが、ダム建設については、計画の根拠になっている「基本高水」の設定の仕方などになお検討の余地があるとして、専門家や簗川流域懇談会(会長・堺茂樹岩手大工学部教授)による協議を要請する付帯意見が付いた。
同日の委員会には7人の委員のうち5人が出席。簗川のダムと自然を考える市民ネットワーク世話人の井上博夫岩手大人文社会科学部教授、市民ネットワークが専門家として推薦した国土問題研究会の中川学事務局長、簗川流域懇談会の堺会長から意見を聴取した。
議論の争点の一つとなっている基本高水は、河川にダムや遊水池、放水路など洪水量を調節する施設がない状態で出る流量。そのピーク流量が治水計画を立てる上での基本となり、ダムの必要性を裏付ける根拠にもなっている。市民ネットワーク側は「基本高水の設定の仕方が過大」などと現在の計画の見直しを主張した。
堺会長は、これまでの懇談会での議論の経緯を報告し、治水計画について検証した小委員会の報告は「県の計画に大きな誤りはないが、見方を変えれば違う方法もあり得る」との両論併記的な結論になったことを説明した。
事業評価専門委員会の委員からは「なお疑問点が多く、現時点では白紙または見直しと言わざるを得ない」との意見もあり、最終的に事業継続とした上で、見解が分かれている計画の基礎データを再度、確認するという首藤委員長の提案が了承された。道路改築については事業継続に異論はなかった。
簗川ダムの関連事業は、利水計画の見直しで事業再評価の対象となり、審議が継続していた。問題になっているダム本体の工事は2009年度から始まる計画。県では付け替え道路の建設など関連工事を継続しながら、並行して委員会の指摘があった部分の精査を進め、来年以降の評価専門委員会に報告するとしている。
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