2008年 3月 27日 (木) 

       

■  〈自転車びより〉33 斎藤純 自転車活用推進研究会

 自転車活用推進研究会(以下自活研とする)がひらいている勉強会に招かれ、盛岡の自転車状況について東京で講演をしてきた。

  自活研は、自転車を有効かつ安全な交通手段として機能させることを目的に、内外の自転車政策の現状を調査・研究し、総合的自転車政策確立に向けて提言を取りまとめることを目的として設立された。学識経験者、マスコミ関係者、自転車愛好家、NPO主宰者、自転車業界関係者、自転車関連事業者、自治体職員、地方自治体や国会の議員などがメンバーに名を連ねている。

  さすがに専門家の集まりだけあって、この4月から施行される盛岡自転車条例(盛岡市自転車の安全利用及び利用促進並びに自転車等の放置防止に関する条例)についてもすでに研究していた。

  結論から言って、盛岡自転車条例への評価はとても高かった。第一に自転車を交通機関のひとつとして位置づけ、バスなどの公共交通機関と同等に扱っていることが注目された。

  一見、あたりまえのことのようだが、これまで自転車は道路行政の面で交通機関として認識されてこなかった。それは自転車を利用している人にもいえ、クルマと同じ乗り物なのだという認識がない(道交法上、自転車は軽車両だ)。だから、平気で道路の右側を走ったり、一時停止をしないという無謀運転(違反行為)を何とも思わない。その認識を改める時期を迎えている。

  二酸化炭素の排出抑制のために自転車利用の促進を呼びかけていることも「他に例がない」と評価された。

  ところで、「なぜ、これほど優れた条例が盛岡で実現したのか」ということが話題になった。盛岡の規模の都市で自転車条例が施行されるのは全国でも初めてらしいのだ。

  そこで、盛岡の地図をひらいて、ひじょうにコンパクトなまちであり、城下町の特徴で道が狭いせいもあって自転車の利便性が高い土地柄であることをまず理解していただいた。

  実際、盛岡の自転車利用率は全国でも上位にある(これは公共交通機関があまり充実していないことを反映してもいるのだが)。さらに、まちづくりに強い関心を持っている人が多く、その人たちが中心になってさまざまな社会実験を国の支援を受けて実施してきたことが盛岡自転車条例の下敷きになっていることを説明した。

  このような市民活動も自活研は以前から注目していたそうだ。そんなおりに拙著『ペダリスト宣言!』(NHK生活人新書)が出たので、「また盛岡から自転車文化が発信された」と関西でも話題になったとうかがった。

  実は『ペダリスト宣言!』を刊行後、岡山や大阪などからも連携して活動していきましょうという連絡をちょうだいしている。盛岡の自転車行政が、今、静かな注目を集めているのである。

  今後は盛岡自転車条例が画餅にならないよう、周知徹底することが課題だ。

(盛岡市在住、作家)

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