2009年 3月 12日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉78 僕のVSOP(下)

 レストランでソロピアノを弾いていると、そこのオーナーが「紹介したい人がいる」といって、現れたのがダンススタジオ「リベルテ」を主宰していた山口久美子さんだった。オーナーは、満面の笑みを浮かべて山口さんと僕を引き合わせて紹介を始めたようとした。

  ところが、二人はすでに顔見知りであった。あるイベントの企画で、リベルテの生徒さんをお借りしてダンスチームを作って踊ってもらったことがあった。それ以来、何度か顔を合わせ、あいさつを交わすくらいのつきあいだった。

  意外なところでの再会で、お互いに顔がほころんだ。僕がピアノ弾きであることは知らなかったはずで、ちょっと驚いたと思う。(そのころの正業である、広告関係の人という認識だった)

  その1週間後くらいに山口さんから電話があった。「北島さん、私のダンスにピアノを弾いていただけません?」

  こうして実現した競演は、発表会のフィナーレ「コラボレーション」となった。事前の音合わせは、彼女のスタジオで1回だけ行った。山口さんが指定した曲は、僕のオリジナル「アフタヌーン・ティ」だった。レストランで弾いていたのを聴いて「コラボレーション」を着想したという。そして、僕のほうからは「You don’t know what love is(君は恋とは何か知らない)」を指定した。

  県民会館大ホール、暗転したステージに二つのスポットが浮かび上がった。そしてピアノの音にあわせて即興のダンスを踊る、二人のコラボレーションが始まった。それはまさにセッションであり、実に刺激的でホットな体験であった。

  そして、これが山口さんの日本でのファイナルダンスとなった。なんとその翌日、山口さんはウィーンに移住すべく、日本を飛びたったのだ。

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